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温湯温泉

(ぬるゆ おんせん)

温湯温泉は、青森県黒石市にある黒石温泉郷の一角をなす温泉地です。青森県の豊かな自然に抱かれたこの温泉は、400年以上の歴史を持ち、古くから湯治場として多くの人々に親しまれてきました。その名の由来や泉質、歴史的背景、そして温泉街の風情まで、訪れる人々にやすらぎと郷愁を与えてくれる場所として知られています。

泉質と特徴

泉質の魅力

温湯温泉の泉質はナトリウム-塩化物泉です。源泉の温度は約60℃と高めで、体を芯から温めてくれる効果があります。名前に「温湯(ぬるゆ)」と付いていますが、これは湯がぬるいという意味ではなく、温まりが長く続くことを示しているのです。

効能

温湯温泉には胃腸病やリューマチ、神経痛などに効果があるとされ、さらに保温効果が高いことから、冷え性の方や肌の乾燥に悩む方にも適しています。湯上がり後も体がぽかぽかと温かさを保つことができ、まさに「長く温もりを感じられる湯」といえるでしょう。

歴史と伝説

鶴にまつわる伝説

温湯温泉の開湯は約400年前にさかのぼります。伝説によれば、神山右仲という人物が浅瀬石川の川辺で傷ついた一羽の鶴を見つけ、その鶴が源泉の湯に浸かり続けたところ、7日後には元気に飛び立ったといいます。この出来事から湯の存在が知られるようになり、「鶴泉」や「鶴羽立」と呼ばれるようになりました。

江戸時代の記録

1624年には京都の公家・花山院忠長がこの温泉を訪れ、その効能を称賛しました。その後「温湯」と名付けられ、湯治場として賑わうようになります。さらに1817年に作られた「温泉番付」では、東国の前頭に格付けされており、古くから全国的に知られていたことがうかがえます。

共同浴場「鶴の湯」

温泉街の中心には、開湯伝説にちなんで名付けられた共同浴場「鶴の湯」があります。2001年に改装され、現在も地域住民や観光客に愛され続けています。昔ながらの湯治文化を体験できる場所として人気を集めています。

温泉街の風情

外湯文化を残す町並み

温湯温泉の宿泊施設は、明治後期から大正期にかけて建てられた木造建築が多く、趣のある町並みを形成しています。特徴的なのは、多くの宿が内湯を持たず、宿泊客が共同浴場に足を運ぶ「外湯文化」を今も大切にしていることです。これは、昔ながらの湯治場の姿をそのまま残しており、訪れる人々に懐かしさと安心感を与えてくれます。

祭りと伝統文化

温泉街では毎年7月下旬の土用の丑の日に近い週末に「温湯丑湯まつり」が行われます。牛の形をした御神体を温泉に入れるという独特の行事で、地域の伝統と信仰を感じることができます。また、温湯は温湯こけしの発祥地としても有名で、津軽系こけしの温かみある表情が旅の思い出を彩ります。

周辺の観光スポット

温湯温泉を訪れる際には、周辺の観光施設も併せて楽しむことができます。津軽こけし館津軽伝承工芸館では、伝統工芸の魅力に触れることができ、また落合温泉、板留温泉、青荷温泉など、黒石温泉郷の他の名湯を巡ることもおすすめです。

アクセス

温湯温泉へは、弘南鉄道弘南線・黒石駅から弘南バスを利用し、約20分で到着します。公共交通機関を利用して気軽に訪れることができるため、観光と湯治を兼ねた旅に最適です。

まとめ

青森県黒石市にある温湯温泉は、長い歴史と豊かな伝説、そして人々に愛され続けてきた湯治文化を持つ温泉地です。体を芯から温める泉質と、鶴の伝説に彩られたロマンあふれる歴史、そしてこけしや祭りといった地域文化が融合した独特の魅力を持っています。訪れることで、日常を忘れ、津軽の自然と伝統に包まれた心温まるひとときを過ごすことができるでしょう。

Information

名称
温湯温泉
(ぬるゆ おんせん)
Nuru-yu Onsen
エリア
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