猿楽台地は、福島県南会津郡下郷町に位置する標高600~700メートルの台地に広がるそば畑で、「日本一のそば畑」とも呼ばれる観光スポットです。例年8月下旬から9月上旬にかけて、40ヘクタールに及ぶ畑一面が白い花で埋め尽くされ、その光景はまるで白いじゅうたんを敷き詰めたかのようです。さらに秋には、収穫を終えた茎が紅葉し、大地を鮮やかな紅色に染め上げ、季節ごとに異なる美しさを見せてくれます。
猿楽台地は昭和40年代に国営農地開発事業によって整備されました。高原の冷涼な気候と肥沃な土壌がそば栽培に適しており、ここで育まれるそばは香り高く良質なことで知られています。面積は約40ヘクタール、そのうち栽培面積は約23ヘクタールに及び、下郷町を代表する農業景観となっています。
猿楽台地は平成10年度に農林水産省が主催する「第7回美しい日本のむらコンテスト」の生産部門で農林水産大臣賞を受賞しました。その美しい景観と良質なそば生産が高く評価され、全国的にも注目を集める存在となっています。
8月下旬から9月上旬にかけてが花の見頃です。小さな白い花が一斉に咲き誇り、広大な台地を幻想的な風景に変えます。この時期には多くの観光客やカメラ愛好家が訪れ、夏の終わりを告げる涼やかな風とともに花畑を楽しみます。
花の時期を過ぎて収穫を終えた後、畑に残された茎が紅葉し、大地を鮮やかな紅色に染め上げます。この珍しい光景は「紅い大地」とも呼ばれ、ロマンティックな雰囲気を醸し出し、訪れる人々を魅了します。四季折々に異なる表情を見せるのも猿楽台地の魅力のひとつです。
猿楽台地を訪れた際には、下郷町のそば屋で味わう手打ちそばも欠かせません。豊かな自然の中で育ったそばは香りが良く、しなやかな食感が特徴です。花畑の鑑賞と合わせて、本場の味を堪能できるのも大きな楽しみです。
広大な花畑は「カメラ女子」にも人気の撮影地で、白い花のじゅうたんと青空、そして山々を背景にした光景はフォトジェニックそのものです。季節ごとの景色を写真に収めることで、訪れる人々の心に鮮やかな記憶を残してくれます。
所在地:福島県南会津郡下郷町大字落合
見学:自由(年中無休)
※専用駐車場はありませんのでご注意ください。
猿楽台地は、四季折々に表情を変えるそば畑が広がる絶景スポットです。夏の終わりには白い花が一面に咲き、秋には紅葉した茎が赤く染める大地が広がります。その美しい景観は訪れる人々に感動を与え、地元のそば文化とともに楽しめる魅力にあふれています。会津を訪れる際には、ぜひ足を運び、その雄大な自然と食の恵みを堪能してみてはいかがでしょうか。