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おりづるタワー

(Hiroshima Orizuru Tower)

おりづるタワーは、広島県広島市中区大手町に位置する複合商業施設です。このタワーは、世界文化遺産に登録されている原爆ドームから東へわずか90メートルの場所に隣接しています。施設の所有および運営は、ヒロマツホールディングス株式会社(広島マツダ)によって行われています。

おりづるタワーの歴史と概要

おりづるタワーは、もともと1978年に「広島東京海上ビル」としてオープンしました。このビルは、東京海上火災保険(現在の東京海上日動火災保険)が総工費30億円をかけて建設したもので、当時は景観への配慮から、平和記念公園側に屋上看板を設置しないなどの工夫が施されていました。

2010年に広島マツダがこのビルを取得し、「広島マツダ大手町ビル」と改称されました。その後、2013年には改修計画が発表され、旧耐震基準で建設されたビルの耐震性能を向上させる目的で、建替えではなく建物の改修が選ばれました。

2014年に改修工事が開始され、2016年7月に1階のカフェや物産館、12階と13階の展望スペースが先行してオープンしました。同年9月にはすべての改修工事が完了し、正式にグランドオープンしました。総事業費は約70億円で、全額が広島マツダによって負担されました。

建物の設計と景観配慮

おりづるタワーの設計を担当したのは、建築家の三分一博志氏です。彼はこの約50メートルのビルを小さな地形と見立て、周囲の原爆ドームや平和記念公園との調和を重視した設計を行いました。建物の外壁は緑化され、自然環境に溶け込むように配慮されています。

さらに、建物全体に風を取り入れるために外壁を取り除き、耐震性能を向上させるために重量を軽減しています。バルコニーやスロープには夏の日差しを防ぐ工夫が施され、快適に過ごせる設計がされています。これらの配慮は、原爆ドームが世界遺産であることに伴い、周囲の景観を保つための市条例に基づいて行われました。

館内の施設と特徴

おりづるタワーの1階には、カフェ「握手カフェ -PARK SIDE-」と物産館「SOUVENIR SELECT 人と樹」があります。2階は平和教育にも利用できる貸会議室、3階から11階まではオフィススペースが設けられています。

12階以上は展望スペースで、有料で入場可能です。12階には「おりづる広場」が整備され、来館者は折り鶴を折って、北側の壁面に設置された「おりづるの壁」に投入することができます。また、屋上階には「ひろしまの丘」という展望スペースがあり、来館者は広島の風景を楽しむことができます。

その他の施設とアクティビティ

おりづるタワーの特徴的な施設として、1階から屋上まで続くスパイラルスロープ「散歩坂」があります。このスロープは、来館者が歩いて上ることができ、途中で広島市街の景色を楽しむことができます。また、スロープの横には滑り台が整備されており、これは避難用としてだけでなく、一般の来館者も利用することが可能です。

来場者数と課題

おりづるタワーは年間来場者数約38万人を目標としていましたが、オープンから2ヶ月後の来場者数は約3万人にとどまり、目標の約半分に達していませんでした。入場料が大人1,700円と高額であることが批判されましたが、広島マツダの松田哲也代表取締役会長は、「世界から集まる観光客に恥ずかしくない施設を提供するためには、一定の料金が必要」と説明しています。

おりづるタワーと広島の象徴

おりづるタワーは、広島の象徴的な建物として、世界遺産である原爆ドームに隣接し、その歴史と文化を伝える役割を担っています。タワー内の設計や施設は、広島の平和と再生を象徴するものであり、多くの観光客が訪れる場となっています。

また、オフィススペースには地元企業の広島本社が入居しており、地域経済にも貢献しています。2016年には、ドリーム・アーツの広島本社がタワー6階に開設され、そのデザインは日経ニューオフィス賞を受賞しました。

まとめ

おりづるタワーは、広島市のランドマークとして、平和と未来への思いを込めた施設です。景観への配慮や耐震性能の向上といった現代的な建築技術を取り入れつつ、広島の歴史と文化を訪れる人々に伝えています。今後も多くの来場者が、広島の象徴的な施設としてこのタワーを訪れることでしょう。

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おりづるタワー
(Hiroshima Orizuru Tower)
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