六稜三層建て内部の西国三十三観音を巡拝するための階段が、木造建築には珍しい螺旋状になっている。会津さざえ堂 (円通三匝堂)。1796年に建築。国の重要文化財。
さざえ堂(さざえどう)は、正式名称を円通三匝堂(えんつうさんそうどう)と言い、福島県会津若松市に位置する仏教寺院の建物です。この建物は、その独特な螺旋構造で知られており、日本の建築史においても珍しい存在です。さざえ堂は、1796年(寛政8年)に建立され、福島県指定重要文化財として認められています。
さざえ堂の最大の特徴は、そのユニークな構造にあります。建物は三重の塔のような外観を持ち、内部は二重螺旋の構造となっています。これは、参拝者が上りと下りの道を一度も交わることなく進むことができるように設計されています。この螺旋構造は、サザエの貝殻の形状に似ていることから「さざえ堂」と呼ばれるようになりました。
内部には33体の観音像が安置されており、参拝者はこれらを巡りながら祈りを捧げることができます。この独特の構造は、日本国内外の建築家や観光客から高い評価を受けています。
さざえ堂は、江戸時代中期の1796年に、仏教の一派である禅宗の僧侶・釈迦堂道誉(しゃかどうどうよ)によって建立されました。建立の目的は、三十三観音巡りを一度に行うことができるようにするためでした。当時、観音巡りは非常に人気があり、遠方の寺院を巡ることが困難な人々のために、このような施設が設けられました。
さざえ堂は、建立以来、多くの参拝者を迎え入れ、その独特な建築と霊験あらたかな巡礼地として親しまれてきました。建物は幾度かの修復を経て、現在も当時の姿を保ち続けています。
さざえ堂は、観光地としても人気があり、多くの観光客が訪れます。建物内部を見学しながら、二重螺旋の構造を体感することができ、その独特な体験は訪れる人々に驚きと感動を与えます。また、周囲には美しい庭園や歴史的な建造物が点在しており、散策を楽しむこともできます。
特に秋には紅葉が美しく、さざえ堂を彩る景色は絶景です。写真愛好家にとっても魅力的なスポットであり、多くの人々がカメラを片手に訪れます。
さざえ堂へのアクセスは、公共交通機関と車の両方が便利です。会津若松駅からはバスやタクシーで約15分の距離にあります。また、車を利用する場合は、東北自動車道の会津若松ICから約20分で到着します。駐車場も整備されており、観光シーズンでも利用しやすい環境が整っています。
参拝時間は季節によって異なるため、事前に確認して訪れることをおすすめします。また、内部見学の際には、写真撮影が禁止されている場所もあるため、注意が必要です。
さざえ堂を訪れる際には、歴史的建造物であることを尊重し、マナーを守ることが大切です。特に、内部の観音像や建物に触れないようにし、静かに参拝することが求められます。また、階段が多いため、歩きやすい靴を履いて訪れることをおすすめします。
さざえ堂は、その独特な建築と歴史的背景で多くの人々に愛される観光スポットです。二重螺旋の構造を持つ建物内部を巡ることで、他では味わえない特別な体験ができます。歴史と自然が調和するこの場所で、心静かなひとときを過ごしてみてください。
拝観時間
4月〜11月 8:15~日没
12月〜3月 9:00~16:00
無休
大人 400円
大学・高校生 300円
小学・中学生 200円
バス ハイカラさん・あかべぇ「飯盛山下」下車、徒歩5分
磐越自動車道 会津若松ICより約15分