中国僧真円開基の黄檗寺院。本堂大雄宝殿は国の重要文化財。異国情緒に満ちた寺域は県の史跡。別名「あか寺」。1620年に創建。
東明山興福寺は、長崎県長崎市に位置する歴史ある寺院で、黄檗宗に属しています。1628年に創建されたこの寺は、中国の明朝様式を取り入れた建築が特徴で、異国情緒あふれる景観が魅力です。長崎の歴史と深く結びついた寺院であり、訪れる人々に静寂と美しさを提供しています。
興福寺は、1628年に創建されました。江戸時代初期、中国からの渡来僧である黙子如定(もくすにょじょう)によって設立され、中国との交流が盛んだった当時の長崎において、重要な役割を果たしてきました。興福寺は、長崎四福寺の一つとして知られ、長崎の仏教文化の中心地として多くの信者を集めました。
興福寺の建築は、中国明朝様式の影響を強く受けています。山門や本堂、鐘楼など、すべての建物が美しい中国風のデザインで統一されており、その独特の雰囲気が訪れる人々を魅了します。特に、山門の赤い柱と屋根の曲線は、異国情緒を感じさせる見事な造りです。
本堂内には、釈迦如来像を中心とした多くの仏像が安置されており、その荘厳な雰囲気が漂います。また、境内には、美しい庭園が広がり、四季折々の風景を楽しむことができます。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が美しい彩りを添えます。
興福寺には、多くの文化財が保存されています。特に有名なのが、長崎県指定有形文化財である「黙子如定の書」です。これは、黙子如定が自らの手で書いたもので、その書風は非常に貴重とされています。また、本堂にある「銅鐘」は、江戸時代に鋳造されたもので、美しい音色を響かせます。
興福寺の境内には、多くの見どころがあります。例えば、「白龍池」は、美しい庭園の中にある池で、龍が住むと伝えられています。また、「華厳の滝」は、小さな滝ですが、その清らかな水と美しい景観が訪れる人々に安らぎを与えます。
興福寺では、年間を通じてさまざまな祭事や行事が行われています。特に重要なのが、「黙子忌」です。これは、黙子如定の命日を記念して行われる法要で、多くの信者が参列します。また、春には「花まつり」、秋には「紅葉祭り」が開催され、地元の人々や観光客で賑わいます。
さらに、興福寺では定期的に座禅会や写経会が行われており、訪れる人々は心を落ち着け、静寂の中で自分自身と向き合うことができます。これらの行事は、仏教の教えを学び、心の平安を得る貴重な機会となっています。
興福寺へのアクセスは、公共交通機関が便利です。最寄り駅は、長崎電気軌道の「諏訪神社前」電停で、電停から徒歩約5分の距離にあります。また、JR長崎駅からはバスで約10分です。車を利用する場合は、周辺に有料駐車場が複数ありますので、そちらを利用することができます。
興福寺の開門時間は午前9時から午後5時までで、入場料は大人300円、子供100円です。特別拝観や行事の際には、別途料金がかかることがありますので、詳細は公式サイトで確認することをおすすめします。
興福寺を訪れる際には、寺院の静寂を尊重し、マナーを守ることが重要です。特に、境内では静かに行動し、仏像や建物に触れないように注意しましょう。また、写真撮影は一部のエリアで制限されていますので、案内表示に従って行動してください。寺院の美しい景観を楽しみながら、心静かに参拝することが大切です。
東明山興福寺は、その美しい建築と歴史的背景で多くの人々を魅了する寺院です。中国明朝様式の建物や庭園は、異国情緒あふれる景観を提供し、訪れる人々に静寂と安らぎをもたらします。ぜひ一度、興福寺を訪れて、その歴史と美しさを体感してみてください。
8:00~17:00
無休
拝観料
大人 300円
中・高生 200円
小学生 100円
長崎駅から路面電車で5分 → 公会堂前下車から徒歩で5分