新宿御苑は、東京都新宿区と渋谷区にまたがる、環境省所管の国民公園です。その美しい景観と歴史的背景から、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。
新宿御苑は、約58ヘクタールの広大な敷地に「日本庭園」、「イギリス風景式庭園」、「フランス式整形庭園」、そして大温室が組み合わさった美しい庭園が広がっています。もともとは江戸時代に信濃高遠藩内藤家の下屋敷のあった敷地で、1879年に新宿植物御苑として開設されました。開設当初は宮内省(現在の宮内庁)の管理下にありましたが、第二次世界大戦後には一般公開され、現在は環境省の管轄する国民公園として親しまれています。
新宿御苑の歴史は、1872年に内藤新宿試験場としてスタートしました。その後、1879年5月に皇室の御料地となり、新宿植物御苑として整備されました。1906年5月には、新宿御苑として開園し、観桜会や観菊会といった行事が行われるようになりました。1927年には大正天皇の大喪の礼が執り行われ、1989年には昭和天皇の大喪の礼もここで行われました。戦後、新宿御苑は国民公園として一般に公開され、現在に至ります。
1945年の空襲では、御苑内の多くの施設が焼失しましたが、一部の歴史的建造物は戦災を免れ、現在も残っています。1952年には、第一回全国戦没者追悼式が開催され、その後、日本武道館に場所を移して毎年8月15日に行われるようになりました。さらに、2006年には「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ」に登録され、2012年には大温室がリニューアルオープンするなど、着実に進化を遂げてきました。
新宿御苑では、広さ58.3ヘクタール、周囲3.5kmの園内に、ヨーロッパ式の風景式庭園と整形式庭園、日本庭園を巧みに組み合わせた、美しい景観が広がっています。日本における近代西洋庭園の名園とされ、その特徴的な庭園様式を楽しむことができます。
新宿御苑には、65種類、約1300本の桜があり、日本さくら名所100選に選定されています。3月下旬から4月上旬にかけてはソメイヨシノが、4月中旬から下旬にはイチヨウ等の多品種のヤエザクラが見頃を迎え、毎年多くの花見客で賑わいます。
整形式庭園には、110種類約500株のバラが植えられたバラ花壇があり、シーズンごとに特色あふれる花々が咲き誇ります。また、計約160本のプラタナスを4列の並木にデザインしたエリアも見どころの一つです。
「玉藻池」を中心とする回遊式日本庭園は、内藤家の庭園「玉川園」の遺構であり、1772年に完成した歴史的な景観を楽しむことができます。園内では、11月には皇室ゆかりの菊花壇展が開催されるなど、四季折々の花が楽しめます。
新宿御苑の大型温室は、1958年の完成当時、東洋一の規模を誇り、2012年にリニューアルオープンしました。熱帯・亜熱帯の植物を中心に約2700種を栽培しており、絶滅危惧種の保存と展示を行う環境配慮型の施設です。11月には洋ラン展が開催され、多彩なランの花を鑑賞できます。
「母と子の森」は、都会に住む子どもたちが自然とのふれあいを楽しみ、豊かな感性と自然への関心を育むために昭和60年(1985年)に造られた自然観察フィールドです。身近な木々や草花、昆虫などとのふれあいが楽しめます。
広さ58.3ヘクタール、周囲3.5kmの園内に、ヨーロッパ式の風景式庭園と整形式庭園、日本庭園を巧みに組み合わせています。日本における近代西洋庭園の名園といわれ、特色あふれる様式の庭園が楽しめます。
ゆったりと広がる芝生と、自然のままにのびのび育った巨樹が特徴の庭園です。新宿門から整形式庭園へまっすぐのびた、見通し線(ビスタライン)の中央には、御苑のシンボルツリー・高さ30mをこえるユリノキが高くそびえています。
園内のほぼ中央に位置し、左右対称のプラタナス並木がのびる庭園です。左右対称にきっちり整ったデザインの花壇と、四季折々に咲き誇るバラの花を楽しむことができます。
日本庭園には、玉藻池の周囲をまわる回遊式の池泉庭園と、御苑で最も歴史の古い玉川園の面影が感じられます。御苑の樹木で使われる植栽は、外周部は雑木林風、中部は大木を主体とし、園内の構造物を植栽で目隠ししています。桜の名所としても有名で、春の花見シーズンには大勢の観光客でにぎわいます。
旧洋館御休所(きゅうようかんごきゅうしょ)は、天皇や皇族が新宿御苑内の温室を鑑賞する際の休憩所として1896年(明治29年)に建てられた洋風木造建築で、国の重要文化財に指定されています。建物は宮内省匠寮により設計され、19世紀アメリカで流行したスティックスタイルを基調としており、クラブハウスとしても使用されました。
旧御凉亭(きゅうごりょうてい)は、1927年(昭和2年)に昭和天皇の御成婚記念として建てられた、閩南や台湾風の木造建築です。「水の上に立つ御休息所」として設計され、現在は東京都選定歴史的建造物に指定されています。
旧温室の遺構は、1893年(明治26年)から1914年(大正3年)にかけて建てられた初期の温室の基礎部分が残る遺構で、2010年(平成22年)の埋蔵物発掘調査で発見されました。ガラス張りの温室としては、1875年(明治8年)に建てられた温室がルーツとされます。
新宿御苑では、毎年4月に内閣総理大臣主催で「桜を見る会」が開催されていました。このイベントでは、政財界や文化・芸能、スポーツ界の著名人が招待され、一般の来園者は入園できませんでした。戦前は皇室主催の「観桜会」として開催され、浜離宮から会場が変更された1918年に遡ります。
毎年11月1日から15日まで、御苑内の日本庭園にて環境大臣主催の「菊を観る会」が開催されます。130年以上の歴史を持つ菊花壇展では、1株の菊を数百輪集めて半円形に咲かせる「大作り花壇」など、趣向を凝らした展示が行われます。
10月には、新宿区観光協会と財団法人国民公園協会新宿御苑の共催で「森の薪能」が開催されます。このイベントでは、能や狂言が披露され、伝統芸能の普及に寄与しています。1985年に始まり、御苑内に設置された舞台で行われますが、雨天の場合は中止となります。
春には、65種類、約1,300本の桜が咲き誇り、花見の名所として人気があります。ソメイヨシノ、シダレザクラ、カンザンなど、多種多様な桜が順に咲くため、長期間にわたって桜の美しさを楽しむことができます。また、新緑も美しく、温室内ではランやベゴニアなどが見頃を迎えます。
夏の新宿御苑では、色鮮やかなアジサイやハナショウブが見頃を迎えます。池の周りには涼しげなスイレンが咲き、風景式庭園では広々とした芝生でピクニックや散策を楽しむ人々が見られます。鬱蒼とした木々の陰で涼を取ることもでき、都会のオアシスとして夏の暑さを和らげてくれます。
秋には、紅葉が見どころとなります。日本庭園のモミジやカエデが真紅に染まり、フランス式整形庭園ではバラが再び花を咲かせます。また、11月には「菊を観る会」が開催され、美しく手入れされた菊花壇を楽しむことができます。
冬の新宿御苑は、落葉した木々が構造物や庭園の全景を際立たせ、静寂な雰囲気が漂います。梅が咲き始める1月から2月にかけては、寒中にも関わらず季節の移ろいを感じさせてくれます。また、温室内では熱帯・亜熱帯の植物が見頃を迎え、外の寒さを忘れさせてくれる癒しの空間が広がります。
新宿御苑は、JR・京王線・小田急線の新宿駅から徒歩約10分でアクセス可能です。また、東京メトロ丸ノ内線の新宿御苑前駅から徒歩約5分、都営新宿線の新宿三丁目駅から徒歩約5分という便利な立地です。
10/1〜3/14 9:00AM〜4:00PM 4:30PM 9:30AM〜3:30PM
3/15〜6/30 8/21〜9/30 9:00AM〜5:30PM 6:00PM 9:30AM〜5:00PM
7/1〜8/20 9:00AM〜6:30PM 7:00PM 9:30AM〜6:00PM
毎週月曜日(月曜日が休日の場合は翌平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
特別開園期間(期間中無休)
春 3月25日~4月24日
秋 11月1日~15日
一般 500円
65歳以上 250円
学生(高校生以上)250円
小人(中学生以下)無料
有料
「新宿門」へ
電車 JR・京王・小田急線 新宿駅南口 徒歩10分
東京メトロ副都心線 新宿三丁目駅E-5出口 徒歩5分
西武新宿線 西武新宿駅 徒歩15分
東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅出口1 徒歩5分
都営地下鉄新宿線 新宿三丁目駅C1/C5出口 徒歩5分
「千駄ヶ谷門」へ
電車 JR総武線 千駄ヶ谷駅 徒歩5分
都営地下鉄大江戸線 国立競技場駅A5出口 徒歩5分
「大木戸門」へ
電車 東京メトロ丸ノ内線 新宿御苑前駅出口2 徒歩5分