良質な水と寒さが育む吉野葛
吉野葛の原料となる葛粉は、葛の根を砕き、水にさらしながら精製して取り出したでんぷんから作られます。良質な水と冬の厳しい寒さが欠かせず、こうした自然条件に恵まれた吉野地方は、葛の生産地として知られています。
丁寧な精製によって生まれる吉野葛は、きめ細かく、上品な口当たりが特徴です。和菓子の素材として、古くから大切に受け継がれてきました。
讃岐の伝統製法で生まれる和三盆
もう一つの主役である和三盆は、香川県などで伝統的に作られてきた高級砂糖です。原料には、一般的な熱帯産のサトウキビとは異なる種類の竹蔗(ちくしゃ)が使われます。
職人が昔ながらの製法で何度も練り上げることで、粒子が細かく、繊細でまろやかな甘みが生まれます。和三盆だけを固めた干菓子も有名ですが、「西行桜」は和三盆に吉野葛を加えている点が特徴です。
口の中ですっと溶ける、忘れがたい味わい
「西行桜」は、和三盆の上品な甘さと吉野葛のなめらかな口どけが調和した干菓子です。口に含むと、すっと溶けていくような繊細な食感が広がります。
吉野と讃岐、それぞれの土地で磨かれてきた素材と伝統技術が一つになった、まさに和菓子の粋を感じさせる逸品。お茶とともにゆっくり味わいたい、奈良土産にもおすすめの銘菓です。