館林の歴史を紹介する第一資料館
第一資料館では、館林の古代から近代までの歴史を伝える資料が展示されています。地域から出土した考古資料をはじめ、館林城に関する史料、近世・近代の生活文化を伝える資料など、幅広い展示が特徴です。
貴重な飯塚多右衛門コレクション
収蔵資料の中でも特に重要なものの一つが、昭和初期に収集された飯塚多右衛門コレクションです。約4,800点の考古資料を含む貴重なコレクションで、館林周辺における古代の文化や人々の暮らしを知るうえで重要な資料となっています。
館林城や館林藩に関する資料
館内には江戸時代の館林城絵図や、館林藩最後の藩主である秋元家に関する資料も収蔵されています。これらの資料を通して、江戸時代の館林城や城下町の様子を知ることができます。
また、多々良沼や近藤沼などで使用されていた内陸漁撈用具も展示されており、地域の人々が自然と関わりながら営んできた生活や産業についても学ぶことができます。
館林市指定重要文化財の貴重な資料
館林市立資料館には、館林の歴史や文化を伝える市指定重要文化財も数多く保存されています。
代表的な資料には、室町時代に制作された教王院旧蔵不動明王図や、江戸時代の書家生田萬の書跡があります。
さらに、江戸時代の植物図譜であるジョン・ウィルヘルム・ウェイマン著の植物彩色図や、仏教経典の大成経なども保存されています。
館林出身の画家小室翠雲による「邑楽公園躑躅岡之図」などもあり、歴史資料だけでなく美術資料を通して館林の文化的な豊かさに触れることができます。
田山花袋の少年時代を伝える第二資料館
第二資料館の敷地内には、館林出身の文豪田山花袋が少年時代を過ごした田山花袋旧居が保存されています。
花袋はこの家で7歳から14歳までの約8年間を過ごしました。文学者としての原点ともいえる場所であり、館林の風景や暮らしが花袋の文学に与えた影響を感じることができます。
江戸時代後期の武家屋敷を伝える旧居
田山花袋旧居は木造平屋建ての茅葺き住宅で、江戸時代後期の小規模な武家屋敷の一例とされています。
玄関の土間から続く三畳の部屋、八畳二間、四畳の部屋のほか、裏側には板間と土間があり、全部で5つの部屋から構成されています。縁側や木の床には長い年月を経た風合いが残され、当時の暮らしを身近に感じることができます。
田山花袋と館林の故郷
田山花袋は館林の風景を深く愛し、故郷の思い出を数多くの作品に描きました。小説『ふる郷』では、この家を「なつかしきこの家」と表現しており、花袋にとって特別な場所であったことがうかがえます。
旧居は昭和56年(1981年)に市内城町から現在地へ解体移築され、文化財として保存されています。現在は無料で見学でき、文学や歴史に興味のある人が訪れるスポットとなっています。
館林の近代産業を伝える旧上毛モスリン事務所
資料館の敷地内には、館林の近代産業の発展を伝える歴史的建造物旧上毛モスリン事務所も保存されています。
明治41年(1908年)から43年(1910年)頃に建てられた木造2階建ての擬洋風建築で、群馬県の重要文化財に指定されています。
館林の発展を支えたモスリン産業
この建物は、館林城二の丸跡に建設された毛織物工場の事務所として使用されていました。モスリンは薄手の毛織物の一種で、明治時代には衣料用織物として広く利用されていました。
館林周辺では古くから機織業が盛んで、その伝統を背景に上毛モスリン株式会社が設立されました。同社は館林製粉とともに地域の近代化に関わり、館林の産業発展を支えました。
和と洋が融合した擬洋風建築
建物は和風建築を基本としながら、洋風建築の意匠を取り入れている点が特徴です。入母屋造りの屋根を持ちながら、外観は左右対称のシンメトリー構造となっています。
上下開閉式の窓や柱、手すり、天井などには洋風のデザインが取り入れられており、明治期に広まった和洋折衷の建築文化を見ることができます。
背面にはレンガ造りの金庫室や文書庫も設けられており、当時の企業活動の一端を伝えています。美しい外観から、現在ではテレビドラマや映画の撮影場所として利用されることもあります。
田山花袋記念文学館で文学に触れる
資料館周辺には、田山花袋の文学についてさらに深く知ることができる田山花袋記念文学館があります。
昭和62年(1987年)に開館した文学館では、花袋の自筆原稿、書簡、初版本、日記、愛用品などを展示し、自然主義文学を代表する作家の生涯と文学的業績を紹介しています。
資料館と合わせて訪れることで、花袋が育った館林の風景や暮らしと、そこから生まれた文学とのつながりをより深く感じることができます。
縄文時代の暮らしを再現した「縄文邑」
田山花袋記念文学館の隣には、歴史施設縄文邑(じょうもんむら)があります。館林市の間堀遺跡の発掘調査をもとに、約4,500年前の縄文時代の集落を再現した施設です。
敷地内には縄文式住居をはじめ、貯蔵穴、集石炉、ストーンサークルなどが復元され、縄文時代の人々の暮らしや文化を体感することができます。
館林市立資料館から周辺施設へ足を延ばせば、古代の縄文文化から近代文学、さらに近代産業まで、館林の歴史を時代の流れに沿ってたどることができます。
歴史と文化を楽しむ館林散策
館林市立資料館を中心とするエリアは、地域の歴史をさまざまな角度から学べる文化ゾーンです。考古資料や館林城の歴史、田山花袋の文学、近代のモスリン産業など、一つの地域に積み重ねられた多彩な歴史に触れることができます。
周辺には城沼や尾曳稲荷神社などの観光スポットもあるため、資料館で歴史を学んだ後に周辺を歩いて巡るのもおすすめです。
アクセス
第一資料館へのアクセス
東武伊勢崎線館林駅から徒歩約15分です。シティーバスを利用する場合は「館林市役所」バス停で下車し、徒歩約1分です。
車の場合は東北自動車道・館林ICから約15分です。
第二資料館へのアクセス
第二資料館(田山花袋旧居)へは、館林駅から徒歩約20分です。シティーバスを利用する場合は「館林市役所」バス停で下車し、徒歩約5分です。
周辺には歴史や自然を楽しめるスポットが点在しているため、資料館だけでなく城沼や尾曳稲荷神社などと合わせて、館林の文化を感じる散策を楽しめます。
館林の歴史を一度に学べる文化スポット
館林市立資料館は、古代から近代まで続く館林の歴史を、考古資料や歴史資料、文学、建築などさまざまな角度から知ることができる施設です。
第一資料館の歴史資料、第二資料館の田山花袋旧居、旧上毛モスリン事務所、さらに周辺の田山花袋記念文学館や縄文邑を巡れば、館林の長い歴史と文化のつながりをより深く感じることができます。