歴史と風情が息づく町並み
長町は、加賀藩の中級武士たちが暮らしていた当時の面影を残し、伝統的な景観が守られています。
ここでは冬には雪や凍結から土塀を守るため、わらのむしろを土塀に掛ける「こも掛け」が行われ、金沢の風物詩となっています。
道端の角には、降雪期に下駄に挟まった雪を叩いて落とすための石「ごっぽ石」が佇んでいます。
長町を流れる大野庄用水は、古くから人々の生活の重要な役割を果たし、土塀を背に流れる用水は、今も町に趣を添えています。
武士の暮らしぶりを見る
公開屋敷内や資料館では、当時の藩士の暮らしぶりや歴史を垣間見ることができます。
武家屋敷跡 野村家では、唯一屋敷を公開していて、豪華な建物と美しい庭園を楽しむことができます。
旧加賀藩士 高田家跡では修復された藩政時代の長屋門を一般公開しており、敷地内には見事な池泉回遊式庭園もあります。
足軽資料館では、足軽屋敷が移築再現され、足軽の職務や日常生活を知ることができます。
長町友禅館では、本加賀友禅の工芸品と着物が多数展示されています。
長町の散策
周辺にはカフェや郷土料理店、古民家を利用した九谷焼の工芸店などが並びますが、武家屋敷は現在も、半分近くが実際に市民が暮らしている一般住宅です。
昔ながらの街並みの中に現代の生活が自然に溶け込み、独特の風情が漂う魅力的なエリアです。
明治44年創業の老舗和菓子店「和菓子村上」は、伝統の季節の和菓子が店内に並び、店内のカフェスペースで金箔あずきソフトクリームなど、できたての甘味を楽しめます。
長町の古き良き日本の趣を感じながら、散策や食事を楽しんでみてください。