東海道の宿場町・桑名で育まれた歴史
桑名は、江戸時代に東海道五十三次の宿場町として栄え、伊勢へ向かう旅人にとって重要な玄関口でした。その桑名の名物として、安永餅は参拝客や大名など、さまざまな人々に親しまれてきたといわれています。
かつては、細長く平たい独特の形から「牛の舌もち」とも呼ばれていたそうです。旅人たちが街道を行き交っていた時代から受け継がれる安永餅には、宿場町の歴史と食文化が息づいています。
柔らかな餅と香ばしい焼き目が生む素朴なおいしさ
安永餅は、餅の中にあんを包み、平たく伸ばしてから表面を軽く焼き上げるのが特徴です。焼き目から漂う香ばしさと、柔らかな餅の食感、あんの上品な甘さを一度に楽しめます。
着色料や添加物を使わずに作られているため、日持ちは常温でおよそ2日間と短めです。購入したら、できるだけ早めに味わうのがおすすめです。
時間がたって餅が硬くなった場合は、フライパンなどで軽く炙ると、香ばしさが増しておいしくいただけます。焼きたてとはまた違った風味を楽しめるのも、昔ながらの餅菓子ならではの魅力です。
伝統を受け継ぐ老舗で味わう
安永餅は、桑名の安永の地で創業した「永餅屋老舗(ながもちやろうほ)」や、江戸時代から一本ずつ手作りする伝統を受け継ぐ「安永餅本舗 柏屋(やすながもちほんぽ かしわや)」で味わえます。老舗ごとの歴史に触れながら、桑名に伝わる名物を楽しむのも旅の醍醐味です。
桑名観光のお供やお土産に
桑名周辺には、和洋折衷の美しい建築が魅力の六華苑や、花々とイルミネーションで知られるなばなの里、アトラクションが充実したナガシマスパーランドなど、多彩な観光スポットがあります。観光の合間に安永餅を味わえば、地域に根付いた食文化にも触れられます。
また、三重県には四日市のなが餅や太白永餅、亀山市の「関の戸」など、歴史ある餅菓子が数多くあります。形や製法、甘さの違いを楽しみながら食べ比べてみるのもおすすめです。
東海道を行き交う旅人や大名にも親しまれた安永餅。素朴な見た目の中に、長い歴史と職人の工夫が詰まった桑名ならではの味わいを、ぜひ楽しんでみてください。