境内の施設
境内には蝦蟆ヶ池辯天堂や姫待不動堂、金堂も存在します。金堂はかつての講堂で、現在は薬師如来が祀られています。達谷西光寺の境内は神聖な場所とされており、喫煙や飲食、ペットの同伴は禁止されています。別当は達谷西光寺ですが、境内の入口には鳥居が立てられ、神仏混淆の社寺となっています。
歴史と伝説
801年、桓武天皇の命を受けた坂上田村麻呂は、征夷大将軍としてこの地に赴き、激戦の末に蝦夷を打ち破りました。戦勝を毘沙門天のおかげと感じた坂上田村麻呂は、そのお礼にこの窟に清水の舞台を模した九間四面の精舎を建て、108体の毘沙門天を祀りました。この地には多くの物語や伝承が残り、西光寺の寺伝にも色を添えています。
神聖な空間
境内は御神域として、飲食や動植物の採取、殺生、犬や猫を伴っての参詣などが固く禁じられており、周辺ののどかな風景とは一線を画す厳かな空間です。
大磨崖仏
達谷窟毘沙門堂の左隣には、岩壁に刻まれた大磨崖仏があります。高さ約16.5メートル、肩幅約9.9メートルの大きな像で、その名も「岩面大佛」。前九年の役と後三年の役で亡くなった敵味方の霊を供養するために、源義家が馬上から弓張を以って彫りつけたと伝えられています。
達谷窟毘沙門堂の位置
達谷窟は、岩手県西磐井郡平泉町に位置し、毘沙門天を祀った堂(寺院)で、国の史跡に指定されています。平泉の南西約6キロメートルにあり、北上川の支流太田川を西に遡ると、谷を分岐する丘陵尾根があり、その先端部に天台宗達谷西光寺があります。達谷西光寺境内の西側には、東西の長さ約150メートル、最大標高差約35メートルの岸壁があり、その下方の岩屋に懸造の窟毘沙門堂があります。さらにその西側の岸壁上部には大日如来あるいは阿弥陀如来といわれる大きな磨崖仏が刻まれています。
神仏混淆の社寺
境内入口には鳥居が建てられており、神仏混淆の社寺となっています。源頼朝も鎌倉への帰路に参拝しており、歴史の風を感じることができる特別な場所です。