下関市と北九州市門司区の間の幅約700メートルの海峡。潮の干満により1日4回も潮流の向きが変わる。
航路として使える海面の幅は最狭部で約500メートルに過ぎず、S字に屈曲して見通しが悪いうえに潮流が速く、岩礁や暗礁も多い。
遭難は絶えないが、古来、本州と九州および日本とアジア大陸を結ぶ重要航路であり続けてきた。
今も日に大小約700隻の船が行き交い、風景を優しく彩る潮騒と汽笛の音は、環境庁選定「残したい日本の音風景百選」に選ばれている。
陸上交通では、海峡の狭さが故に、比較的早い段階から海底トンネルや橋が整備され、海底トンネル3本、橋1本の合わせて4本のトンネルと橋梁が本州と九州をつないでいる。
高速道路として利用されている吊橋「関門橋」
有料道路の車道・人道用の海底トンネル「関門国道トンネル」
山陽本線の鉄道用の海底トンネル「関門鉄道トンネル」
山陽新幹線の鉄道用の海底トンネル「新関門トンネル」
関門海峡(かんもんかいきょう)は、本州と九州を隔てる海峡で、山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間に位置します。全長は約700メートルで、瀬戸内海と日本海を結ぶ重要な航路として知られています。関門海峡は、古くから日本の交通の要所として重要な役割を果たしてきました。
関門海峡の歴史は古代にまでさかのぼります。この海峡は、古代から中世にかけて交易や軍事上の要衝として利用されてきました。特に、源平合戦の舞台となった壇ノ浦の戦いや、関ヶ原の戦いに関連する出来事が有名です。また、幕末には坂本龍馬をはじめとする志士たちが活動の拠点とした場所でもあります。近代に入ってからも、日露戦争や太平洋戦争において重要な軍事拠点となりました。
関門海峡を渡る手段として、関門トンネルと関門橋があります。関門トンネルは、1942年に開通した日本初の海底トンネルで、現在も自動車と鉄道の両方が利用できる重要な交通路です。一方、関門橋は1973年に開通し、全長1068メートルの吊り橋として多くの車両が通行しています。これらのインフラは、関門海峡の交通を支える重要な役割を果たしています。
関門海峡周辺には、多くの観光スポットがあります。下関市側には、唐戸市場や海響館といった観光施設があり、新鮮な海産物を楽しむことができます。また、門司区側には、門司港レトロ地区があり、歴史的な建造物や美しい港の風景が楽しめます。特に、夜には関門橋のライトアップが見どころで、多くの観光客が訪れます。
関門海峡周辺では、年間を通じて様々なイベントが開催されます。代表的なものに、毎年夏に行われる「関門海峡花火大会」があります。この花火大会は、下関市と北九州市の両側から打ち上げられる花火が海峡を彩る壮大なイベントで、多くの観光客が訪れます。また、歴史をテーマにした祭りや文化イベントも多数開催され、地域の文化を感じることができます。
関門海峡の周辺には、豊かな自然環境が広がっています。海峡の潮流は非常に強く、潮の満ち引きによって独特の景観が形成されます。また、海峡には多様な海洋生物が生息しており、釣りやダイビングなどのマリンアクティビティも楽しむことができます。沿岸部には、散策路や展望台が整備されており、美しい景色を楽しむことができます。
関門海峡へのアクセスは非常に便利です。下関市と北九州市の両市からは鉄道やバスが頻繁に運行しており、関門トンネルや関門橋を利用して容易に移動できます。また、新幹線の停車駅も近くにあり、遠方からのアクセスも良好です。観光地としての利便性が高く、多くの観光客が訪れる要因となっています。
関門海峡は、その歴史的・文化的な価値、そして美しい自然環境が魅力的な場所です。交通の要所としての役割を果たし続ける一方で、多くの観光スポットやイベントが訪れる人々を楽しませています。歴史の足跡をたどり、美しい風景を堪能し、多彩な文化を体験できる関門海峡は、日本を代表する観光地の一つです。訪れる際には、その多面的な魅力を存分に味わってください。
JR下関駅からバスで10分
JR新下関駅からバスで25分