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築地本願寺

(つきじ ほんがんじ)

築地本願寺は、東京都中央区築地三丁目に位置する浄土真宗本願寺派の寺院です。この寺院は、京都市にある西本願寺の直轄寺院であり、東京都内でも代表的な寺院の一つとして知られています。本尊には、聖徳太子が手彫りしたと伝えられる阿弥陀如来立像が祀られています。

築地本願寺の特徴

築地本願寺は、古代インド様式をモチーフにした本堂が特徴的です。築地市場のすぐ近くに位置し、築地の街の象徴的な存在となっています。

本堂の特徴

現在の本堂は1934年に完成しました。大理石彫刻が豊富に用いられ、インド、西洋、イスラム、日本などの異なるモチーフを融合させた独自の様式が特徴です。この斬新かつ荘厳なデザインは、今なお多くの人々に感銘を与えています。

本堂の入口の床にはモザイクが施され、外陣手前の広間(前室)は扉上にステンドグラスで装飾されています。これにより、視覚的に美しい空間が作り出されています。

パイプオルガンとコンサート

築地本願寺には、キリスト教の教会堂のナルテックスを思わせるパイプオルガンが備えられています。このパイプオルガンを使用して、クラシック音楽や仏教賛歌(明治以降に西洋音楽を取り入れた仏教音楽)のコンサートが行われています。

概要

築地本願寺は、1617年に西本願寺の別院として江戸時代に創建され、当時は「江戸海岸御坊」や「浜町御坊」と呼ばれていました。しかし、明暦の大火により本堂が焼失し、その後江戸幕府の区画整理のため旧地への再建が許されず、代替地として八丁堀沖の海上が与えられました。この地に門徒たちが協力して海を埋め立てて土地を築き、1679年に再建されたことが現在の築地という地名の由来です。

本堂の特徴と建築様式

現在の本堂は、1923年の関東大震災で再び焼失した後、1934年に再建されました。設計は東京帝国大学工学部名誉教授・伊東忠太によるもので、古代インド様式をモチーフにしながらも、西洋建築の影響も受けた鉄筋コンクリート造の建物です。特に大理石彫刻やインドの石窟寺院風のデザインが取り入れられており、斬新かつ荘厳な雰囲気を醸し出しています。本堂は現在、国の重要文化財に指定されています。

宗務と現在の運営体制

築地本願寺の住職は、浄土真宗本願寺派の門主である大谷光淳が兼任しており、事務執行機関として宗務長(旧:輪番)と副宗務長が存在します。現在の宗務長は中尾史峰です。また、築地本願寺は2012年の浄土真宗本願寺派の新体制移行に伴い、「本願寺築地別院」から「築地本願寺」へと正式名称が変更されました。

歴史

江戸時代の創建から明暦の大火

築地本願寺の歴史は、1617年に西本願寺の別院として浅草御門南の横山町に創建されたことに始まります。江戸時代には「江戸海岸御坊」や「浜町御坊」と呼ばれていましたが、1657年の明暦の大火により本堂が焼失し、再建が困難となりました。

築地への移転と再建

旧地への再建が許されなかったため、八丁堀沖の海上が代替地として与えられ、佃島の門徒が協力して海を埋め立て、1679年に現在の築地の地に再建されました。再建された寺院は「築地御坊」として知られるようになり、その後の歴史の中で多くの災害や再建を経て、現在の姿へと至ります。

関東大震災と本堂の再建

1923年の関東大震災では、地震による倒壊は免れたものの、その後の火災で再び伽藍が焼失しました。58か寺の寺中子院も各地へ移転することとなりました。現在の本堂は、1934年に竣工したもので、鉄筋コンクリート造による耐震性と耐火性を備えた建物です。

本堂の詳細

本堂の構造とデザイン

本堂は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)で、地上2階建て(一部地下階あり)の建物です。建築面積は3,149.4m2で、中央部には阿弥陀如来立像が安置されており、北翼部と南翼部から成り立っています。屋上にはインド風の仏塔(ストゥーパ)があり、鐘楼や鼓楼が配置されています。外観にはインド風の意匠が強調されていますが、内部には日本の仏教寺院に見られる伝統的な要素も取り入れられています。

内陣と外陣

内陣は本尊を安置する場所で、外陣は参拝者のための空間です。外陣には広いスペースがあり、椅子席が設けられています。また、外陣の装飾には和風の仏堂要素が加味されており、柱や梁、格天井などが特徴的です。

独自の建築様式

築地本願寺の本堂は、インド、西洋、イスラム、日本の各種建築様式を融合させた独自のスタイルを持っています。この合理的な設計により、礼拝、説教、会議、事務など、さまざまな機能を一棟で果たせる構造となっています。設計者である伊東忠太の代表作の一つです。

主な行事

築地本願寺では、以下のような年間行事が行われています。

1月1日 : 元旦会(修正会)

新年を迎える法要です。

4月8日 : 灌仏会(花まつり)

お釈迦様の誕生を祝う法要です。

5月21日 : 宗祖降誕会

宗祖親鸞の誕生を祝賀する法要です。

8月上旬 : 盆踊り

築地本願寺では、近隣住民や在勤者も楽しめる盆踊りが開催されます。芸能人による余興や大江戸助六太鼓の演舞などが行われます。

11月11日 - 16日 : 報恩講

親鸞の祥月命日を記念する法要です。

12月31日 : 除夜会

年末に行われる除夜の法要です。

その他にも、法話や著名な学者による仏教文化講座が恒常的に開催され、仏教学の普及にも力を入れています。英語による法話も行われており、外国人参拝者にも対応しています。

文化財と歴史的エピソード

重要文化財

本堂および正門、北門、南門、石塀は、国の重要文化財に指定されています。これらの建築物は、築地本願寺の歴史と文化を物語る貴重な遺産です。

観光スポットと周辺施設

築地本願寺は、その独特な建築と歴史的背景から、観光スポットとしても人気があります。寺院内部の見学ツアーや、宗教講話、コンサートなどのイベントが定期的に開催されています。また、築地市場や銀座といった観光エリアも近く、観光ルートとして組み込むことができます。

施設と設備

築地本願寺には、訪れる人々のための設備が充実しています。境内には案内所や売店、カフェがあり、寺院の歴史や文化について詳しく知ることができます。また、本堂には礼拝堂や座禅堂があり、静かな環境で精神を落ち着けることができます。

アクセス

築地本願寺は、東京都心部に位置しており、アクセスが非常に便利です。東京メトロ日比谷線の築地駅から徒歩約1分という立地にあり、他の公共交通機関からも簡単にアクセスできます。駐車場も完備されているため、車での訪問も可能です。

自然の美しさ

築地本願寺の境内には、美しい庭園が広がっています。特に春の桜や秋の紅葉が見どころで、多くの観光客が訪れます。静寂な環境の中で、ゆっくりと散策しながら季節の移ろいを感じることができます。

まとめ

築地本願寺は、そのユニークな建築様式と豊かな歴史、そして多様な行事やイベントで訪れる人々を魅了する寺院です。東京を訪れた際には、ぜひ築地本願寺に足を運び、その魅力を存分に体験してください。

Information

名称
築地本願寺
(つきじ ほんがんじ)
Tsukiji Honganji Temple
リンク
公式サイト
住所
東京都中央区築地3-15-1
電話番号
03-3541-1131
営業時間

拝観時間 6:30~17:00

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