田原神社は、島根県松江市奥谷町に鎮座する由緒ある神社です。もとは二つの社が存在していましたが、江戸時代の延宝2年(1674年)に現在の一社に合祀されました。旧県社として地域の人々から篤い信仰を集めてきました。
『出雲風土記』には「田原社」と記されていますが、御祭神が奈良の春日大社とほぼ同じであることから、古くより一般には「春日神社」とも称されてきました。御本殿は東殿と西殿の二殿からなり、東殿は田原社の伝統を、西殿は亀田山に祀られていた三所荒神の信仰を今に伝えています。
境内の随神門は、寝殿造り風の優美な建築で、江戸時代の名工・小林如泥による精巧な彫刻が施されており、松江市指定有形文化財となっています。また、参道の石灯籠には十二支の動物が刻まれ、来待石製の狛犬とともに参拝者の目を楽しませます。
田原神社は、文豪小泉八雲が好んで訪れた場所としても知られています。境内にかつてあった銅製の鹿像にまつわる不思議な伝承を、八雲が記していたことでも有名です。
毎年10月15日に行われる秋季例大祭では、地元の少女たちによる浦安の舞が奉納され、厳かで華やかな雰囲気に包まれます。松江駅からレイクラインバスでアクセスでき、観光の途中に立ち寄りやすい神社です。