四国八十八箇所第51番札所であり聖武天皇の勅願によって創建された寺で、四国遍路のルーツとされる衛門三郎ゆかりの寺。
道後温泉から近く、国宝の二王門をはじめ立派な堂宇が立ち並ぶ境内は参拝の人が絶えない。「お大師さん」として崇敬されている。
創建
寺伝によれば、728年に伊予国の太守が夢によってこの地を霊地と悟り、熊野十二社権現を祀った。729年に仏教僧の行基が薬師如来を刻んで本尊として安置して開基したという。
創建当時の寺名は安養寺、宗派は法相宗であったが、813年に空海(弘法大師)が訪れ、真言宗に改めたとされる。892年に石手寺と改められた。
仁王門(国宝)
現在の門は1318年に河野通継が再建したものといわれ、鎌倉期建築の特徴がよく現れている。
二重屋根入母屋造り本瓦ぶきの重層で、全体の容姿はよく均整のとれた全国屈指の楼門で国宝に指定されている。
門に安置されている木造金剛力士立像は、1240年頃に運慶派一問の作とされ、国の重要文化財に指定されている。
文化財
本堂は本瓦葺き、正面側面とも五間、単層入母屋造りの仏堂で鎌倉時代末期に建てられた。
同じく鎌倉時代末期に建てられた三重塔や訶梨帝母天堂、五輪塔、1333年の建築の鐘楼、1251年に建築の銅鐘、室町時代初期に建築の護摩堂はすべて国の重要文化財に指定されている。
石手寺(いしてじ)は、日本の愛媛県松山市にある真言宗豊山派の寺院です。四国八十八箇所霊場の第五十一番札所としても知られており、多くの巡礼者が訪れる場所です。正式名称は「熊野山虚空蔵院石手寺」で、地元の人々から親しまれています。
石手寺の創建は728年に遡ります。開基は聖武天皇の勅願によるもので、当初は「安養寺」と呼ばれていました。伝説によれば、寺の名前は行基が石を投げて祈りを込めたことで、村の人々が難病から解放されたことに由来しています。平安時代には弘法大師(空海)が訪れ、寺を再興したことで、現在の「石手寺」という名が広まりました。
石手寺の建築は歴史的価値が高く、国宝や重要文化財に指定されている建造物が多くあります。本堂や三重塔はその代表例で、特に三重塔は鎌倉時代に建てられたもので、その美しい姿は訪れる人々を魅了します。また、仁王門も見どころの一つで、力強い仁王像が境内を守っています。
石手寺には多くの文化財が収蔵されています。特に、弘法大師ゆかりの品々や、鎌倉時代の仏像、平安時代の経典などが貴重な遺産として大切に保存されています。これらの文化財は、寺の歴史と宗教的な価値を物語っています。
石手寺は四国八十八箇所霊場の一つとして、多くの巡礼者が訪れます。年間を通じてさまざまな行事が行われ、特に「虚空蔵菩薩の縁日」には多くの参拝者が集まります。境内には遍路道も整備されており、訪れる人々が心静かに祈りを捧げることができます。
石手寺の境内には美しい庭園があります。池泉回遊式庭園は、四季折々の風景を楽しむことができ、春には桜、秋には紅葉が訪れる人々を魅了します。また、境内には多くの古木が立ち並び、その荘厳な雰囲気が心を癒します。
石手寺へのアクセスは、松山市内から車で約20分です。また、公共交通機関を利用する場合は、伊予鉄道の道後温泉駅からバスで約10分、石手寺前バス停で下車するとすぐに到着します。松山市内の観光スポットと合わせて訪れると良いでしょう。
石手寺は、その歴史的価値と美しい建築、豊かな文化財により、多くの人々に愛されています。巡礼の地としても重要な役割を果たしており、訪れる人々に深い感動を与えます。愛媛県を訪れた際には、ぜひ石手寺に足を運び、その魅力を堪能してください。
伊予鉄道城南線(路面電車)- 道後温泉駅 下車 徒歩16分 (1.3km)