日本国内でもひときわ古い3000年もの歴史を持つといわれる温泉で、古代の神話が伝わるが、史実上の記録に登場する温泉として見ても、道後温泉は日本最古級の歴史を持つ。
「伊予ノ湯」「熟田津ノ湯」と呼ばれ、日本書紀(伝720年)、万葉集(780年頃)、源氏物語(紫式部 1008年頃)などにも名湯として登場。
夏目漱石の小説「坊ちゃん」(1905年)の舞台として全国に知られ、夏目漱石は交友のあった正岡子規としばしば道後を訪れた。
スタジオジブリのアニメ映画「千と千尋の神隠し」(2001年公開)において、道後温泉本館が本作に登場する「油屋」のモデルの一つになった。
道後温泉街はその中央にある道後温泉本館を中心としている。本館自体が観光施設であるが商店街なども観光客で賑わう。
市内電車の道後温泉駅前にある小公園には、坊っちゃんからくり時計、足湯、湯釜などがある。駅前広場には夜間は坊っちゃん列車の機関車と客車が留め置かれ、ライトアップされている。
温泉本館の北から東にかけてホテル旅館街があり、周辺に道後公園、湯築城跡、湯神社、伊佐爾波神社、宝厳寺、にきたつの道、セキ美術館、松山市立子規記念博物館などの見所が多数ある。
温泉は地熱由来の非火山型で、泉質は単純温泉。源泉温度42~51度で混合して46度で供給している。