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仙巌園

(せんがんえん)

薩摩藩の栄華を体感!島津家ゆかりの庭園

仙巌園は、鹿児島県鹿児島市吉野町にある薩摩藩主島津氏の別邸・大名庭園で、別名「磯庭園(いそていえん)」とも呼ばれています。現在の所有者は島津興業です。庭園内には、歴史的建造物や美しい景観が広がり、多くの観光客や地元の人々に親しまれています。

仙巌園は、第19代薩摩藩主である島津光久が万治年間(1658年~1661年)に建設した別邸で、庭園は桜島を借景とすることで知られています。国の名勝「仙巌園附花倉御仮屋庭園」に指定されており、園内の反射炉は「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成資産として世界文化遺産にも登録されています。

歴史と背景

仙巌園は、島津光久が別邸として築いた庭園で、もともと「磯庭園」と呼ばれていました。島津家の庭園として代々受け継がれ、1866年には第28代当主島津斉彬によって大規模な改修が行われました。斉彬は、西洋の技術や文化を取り入れた近代化を推進し、仙巌園もその一環として再整備されました。

庭園の特徴

仙巌園は、日本庭園の伝統的な要素と西洋の影響が融合した独特の美しさを持ちます。庭園の中心には、錦江湾と桜島を借景とした大池が広がり、その周囲には季節ごとに異なる花々が咲き誇ります。庭園内には、石橋や灯籠、茶室などが点在し、訪れる人々に四季折々の美しい風景を楽しませます。

特に、桜の季節や紅葉の時期には、多くの観光客が訪れ、その美しさを堪能します。また、庭園内には竹林や梅林もあり、散策するだけで心が安らぐ場所です。

歴史的建造物

仙巌園内には、歴史的価値の高い建造物が多く残されています。その中でも、最も重要なのが「御殿」です。御殿は、江戸時代から明治時代にかけて島津家の住居として使用され、現在では一般公開されています。御殿内には、当時の生活様式や文化を伝える展示があり、訪れる人々に歴史の息吹を感じさせます。

また、「尚古集成館」も見逃せないスポットです。これは、島津家の歴史と文化を紹介する博物館で、多くの貴重な資料や美術品が展示されています。特に、島津斉彬が推進した近代化の成果を伝える展示は必見です。

観光スポットとしての魅力

仙巌園は、その美しい景観と歴史的建造物で多くの観光客を魅了しています。庭園内を散策するだけでなく、季節ごとに開催されるイベントや茶会なども楽しむことができます。特に、春の桜祭りや秋の紅葉祭りは、多くの観光客で賑わい、その美しさを堪能する絶好の機会です。

また、庭園内にはレストランやカフェもあり、地元の食材を使った料理やお茶を楽しむことができます。美しい庭園を眺めながらの食事は、訪れる人々にとって特別な体験となるでしょう。

園内施設

仙巌園には、世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」の構成資産である反射炉跡のほか、以下のような歴史的建造物があります。

歴史

江戸時代

仙巌園は江戸時代の万治年間に、島津光久によって磯に建設されました。庭園内には桜島を借景にした美しい景観が広がり、風光明媚な場所として知られています。寛文12年(1672年)には「喜鶴亭」と名付けられた建物が増築され、元禄15年(1702年)頃には曲水の庭が造成されました。

また、嘉永元年(1848年)には島津斉興が2ヘクタールほどの庭園整備を行いました。江戸時代後期の『三国名勝図会』には仙巌園やその周辺の景観について詳細に記述されています。

集成館事業と反射炉の建設

嘉永5年(1852年)の冬、集成館事業の一環として反射炉が建設され、翌年には大型反射炉が設けられました。これにより、仙巌園一帯は工場地帯として発展しました。また、島津斉彬によるガス灯の研究も行われ、安政4年(1857年)には日本で初めてガス灯が点灯されました。

廃藩置県後

明治4年の廃藩置県により、明治5年(1872年)には島津忠義が仙巌園に居を移し、さらに増築を行いました。島津氏の別邸として利用されていたこの場所には、1891年(明治24年)にはロシア帝国の皇太子ニコライが3泊滞在したこともあります。

昭和以降の歴史

1949年(昭和24年)、島津氏から鹿児島市に移管され「磯公園」として一般公開されましたが、1957年(昭和32年)には再び島津氏に返還されました。1958年(昭和33年)には「仙巌園附花倉御仮屋庭園」として国の名勝に指定されました。2015年(平成27年)には旧集成館反射炉跡が世界文化遺産に登録されました。

名称について

「仙巌園」という名称は、庭園内にある奇岩が中国の龍虎山の仙巌に似ていることに由来しています。別名「磯庭園」とも呼ばれ、正式名称が「仙巌園」となったのは1995年(平成7年)です。

日豊本線電化と景観問題

仙巌園付近を走る日豊本線の電化に際し、景観への影響が懸念されました。日本国有鉄道(国鉄)は、仙巌園の景観を守るため特別な架線柱の設置や景観対策を行いました。そのため、仙巌園前の区間は特殊な電化設備となっています。

近隣施設

仙巌園の近隣には、以下のような文化的・観光施設があります。

交通アクセス

仙巌園へのアクセスは、公共交通機関と車の両方が便利です。鹿児島市内からは、市電やバスを利用して約20分で到着します。車を利用する場合は、九州自動車道の「鹿児島北IC」から約15分で到着します。駐車場も完備されており、観光シーズンでも利用しやすい環境が整っています。

自動車

路線バス

訪問の際の注意点

仙巌園を訪れる際には、庭園の美しい景観と歴史的建造物を尊重し、静かに見学することが求められます。特に、御殿や尚古集成館内では、展示物に触れないよう注意しましょう。また、庭園内は広く、歩きやすい靴で訪れることをおすすめします。夏場は日差しが強いため、帽子や日焼け止めを持参することも忘れずに行いましょう。

まとめ

仙巌園は、その美しい景観と歴史的背景を持つ素晴らしい日本庭園です。庭園内を散策しながら、日本の伝統と文化を感じることができ、四季折々の風景を楽しむことができます。ぜひ一度、仙巌園を訪れて、その魅力を体感してみてください。

Information

名称
仙巌園
(せんがんえん)
Senganen Garden
リンク
公式サイト
住所
鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
電話番号
099-247-1551
営業時間

9:00~17:00

定休日

年中無休
(3月第1日曜日は鹿児島マラソンの為休園)

アクセス

鹿児島中央駅からカゴシマシティビューで約50分「仙巌園前」下車

鹿児島中央駅から車で約20分

エリア
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