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黒部ダム

(くろべダム)

日本一の高さを誇る大迫力の放水

黒部ダムは日本最大のアーチ式ドーム越流型ダムであり、高さ186メートル、長さ492メートルと、世界でも最高クラスの規模を誇ります。このダムから毎秒10トン以上の水が吹き出す観光放水は、6月下旬から10月中旬の期間に行われ、その迫力は圧巻です。

建設の歴史

黒部ダムは1956年に着工され、大自然の中で幾多の困難を乗り越えながら、7年間の歳月をかけて完成しました。総工費は当時の513億円で、これは関西電力の資本金の5倍にも相当しました。延べ1,000万人の作業員が関わり、171人の殉職者を出しながらも、1963年に完成を迎えました。

ダムの特徴

黒部ダムは北アルプスの立山連峰と後立山連峰に挟まれた黒部峡谷に位置し、標高は1,454メートルに達します。ダムの水は平均水温4度で、右岸の取水口から約10キロメートル下流の黒部川第四発電所に送られます。この発電所の名称から「黒四ダム」とも呼ばれます。

ダムの両側はウイング状の重力式ダムとなっており、アーチ部は川下に向かって傾斜し、水圧を両岸に逃がすのではなく、下向きの力へと変換して岩盤に支えさせる構造となっています。

観光と登山

黒部ダムは中部山岳国立公園の一部でもあり、立山黒部アルペンルートのハイライトの一つとして多くの観光客が訪れます。観光放水は6月下旬から10月中旬まで行われ、ダム展望台や放水観覧ステージなどからその迫力を楽しむことができます。また、レストハウスではダム湖をモチーフにした「黒部ダムカレー」を味わえます。

さらに、黒部ダム周辺には多くの登山ルートがあり、室堂駅に向かうアルペンルートの中継地点としても利用されています。立山や赤牛岳などへの登山ルートがあり、多くの登山客に親しまれています。

歴史的な背景と影響

黒部ダムの建設は、第二次世界大戦後の復興期に遡ります。当時の関西地方は深刻な電力不足に直面しており、関西電力は黒部峡谷での水力発電を唯一の解決策と見出しました。1956年の着工時には「電力開発は1万kW生むごとに死者が1人出る」と言われていたほど困難な工事でしたが、完成時には25万kWを生み出し、関西地方の電力需要を大幅に補うことに成功しました。

観光施設と見学ツアー

黒部ダムには観光施設が整備されており、観光放水や展望台からの景色を楽しむことができます。また、関西電力は1996年から黒部ルートの公募見学会を開催しており、欅平から黒部ダムに至るルートを見学できます。2024年からはこの見学ルートが一般開放される予定です。

ダム湖では遊覧船ガルベが運行されており、湖面を30分ほどで周遊することができます。ただし、遊覧船は2024年度シーズンを最後に終了する予定です。

映像化と文化的影響

黒部ダムの建設はそのスケールの大きさから日本中の注目を集め、多くの映像作品として記録されています。関西電力が制作した記録映画や、多くのドキュメンタリーがその建設の過程を伝えています。また、ダム建設の困難さと壮大さは、多くの人々に感動を与え、後世に語り継がれています。

まとめ

黒部ダムは日本を代表するダムであり、その壮大な規模と建設の歴史は多くの人々に感動を与え続けています。観光地としても多くの人々に親しまれ、周辺の自然と共に訪れる人々を魅了しています。黒部ダムは、その歴史と技術、そして自然との調和を象徴する重要な存在であり、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

Information

名称
黒部ダム
(くろべダム)
Kurobe Dam
リンク
公式サイト
住所
富山県中新川郡立山町芦峅寺
電話番号
0261-22-0804
駐車場
長野ルート:扇沢駅周辺にあり
アクセス

富山県側からのルート
「立山駅」
【立山~美女平】ケーブルカー7分 →
【美女平~室堂】高原バス50分 →
【室堂~大観峰】立山トンネルトロリーバス10分 →
【大観峰~黒部平】立山ロープウェイ7分 →
【黒部平~黒部湖】黒部ケーブルカー5分 →
「黒部ダム駅」

長野県側からのルート
 「扇沢駅」
・安曇野ICから車で70分[47km] →扇沢駅から関電トンネルトロリーバス16分
・長野ICから車で90分[52km] →扇沢駅から関電トンネルトロリーバス16分
・JR大糸線信濃大町駅からバスで40分 →扇沢駅から関電トンネルトロリーバス16分
・JR北陸(長野)新幹線長野駅から特急バスで100分 →扇沢駅から関電トンネルトロリーバス16分

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