» 九州・沖縄 » 佐賀県 » 佐賀市周辺・鳥栖

孔子の里・多久聖廟

(たくせいびょう)

学びと礼を伝える孔子の聖地

学問の神を祀る歴史ある聖廟

孔子の里・多久聖廟は、佐賀県多久市にある孔子を祀る聖廟で、日本における儒学の重要な拠点として知られています。江戸時代に多久領主によって建立された歴史ある建物で、現在は国の重要文化財に指定されています。学問の神様として知られる孔子を祀る場所として、受験生や学生、多くの観光客が訪れる観光地となっています。

多久聖廟の創建と歴史

多久聖廟は、宝永5年(1708年)に多久四代領主であった多久茂文によって建立されました。多久茂文は、領地を治めるためには教育が非常に重要であると考え、領民に学問を広めるとともに、人として大切な「敬の心」を育てるために聖廟の建設を決意しました。

まず元禄12年(1699年)に学問所(後の東原庠舎)を建て、中国から取り寄せた孔子像を安置しました。その後、椎原山のふもとに本格的な聖廟が建設され、1708年に完成しました。以来、約300年以上にわたり地域の人々に大切に守られてきました。

日本三大孔子廟の一つ

多久聖廟は、栃木県の足利学校、岡山県の閑谷学校の孔子廟と並び、日本三大孔子廟の一つといわれています。現存する孔子廟としては非常に古く、日本国内でも貴重な歴史建築です。その歴史的価値の高さから、昭和25年(1950年)に国の重要文化財に指定されました。

壮麗な中国風建築の聖廟

朱塗りの美しい建物

多久聖廟の建物は中国風の建築様式を取り入れた特徴的な建物で、朱塗りの柱や梁が非常に美しく、華やかで荘厳な雰囲気を持っています。建物の柱や梁には、龍や麒麟、鳳凰、鯱、鯉などの縁起の良い彫刻が施されており、細部まで非常に豪華な装飾が見られます。

建物には禅宗様式の影響も見られ、日本と中国の文化が融合した独特の建築様式となっています。建築に使われた木材や石材、瓦などの多くは当時の多久領内で調達され、大工や左官、画工、漆工など多くの職人によって建てられました。

聖龕と孔子像

聖廟の内部には「聖龕(せいがん)」と呼ばれる八角形の厨子があり、その中に孔子像が安置されています。この聖龕も国の重要文化財に指定されており、精巧な彫刻や装飾が施されています。

孔子像は青銅製の座像で、高さ約90センチ、重さ約108キログラムあります。孔子像は中国の伝統的な礼服を身に着け、冠には宝玉の飾りが付けられています。衣装には日、月、星、龍、山など十二種類の文様が刻まれており、非常に格式の高い像となっています。

四配の像

聖廟内には孔子像のほかに、「四配」と呼ばれる孔子の弟子である顔子、曾子、子思子、孟子の像も安置されています。これらの像は孔子とともに祀られ、儒学の教えを象徴する存在となっています。

伝統行事「釈菜(せきさい)」

多久聖廟では、創建以来300年以上続く伝統行事「釈菜(せきさい)」が毎年春と秋の年2回開催されています。この行事は孔子と四配を祀る儀式で、雅楽が演奏される厳かな雰囲気の中、中国明時代の衣装を身に付けた献官や祭官が供え物を捧げます。

供え物には栗や甘酒などが用いられ、儀式は非常に格式高いものとなっています。式典の後には孔子祭が開催され、市内の学生による舞や中国の獅子舞などが披露され、多くの人で賑わいます。

この釈菜が行われる日には、通常は公開されていない聖廟内部が一般公開されるため、多くの観光客が訪れます。

学問の神様としての孔子

孔子は中国の思想家で儒教の祖として知られ、日本では学問の神様としても信仰されています。日本では菅原道真と並んで学問の神様として知られており、受験シーズンになると多くの受験生が合格祈願に訪れます。

参道入口にある物産館では、絵馬や学業成就のお守りなどが販売されており、受験生や学生が願いを込めて参拝する姿が多く見られます。

文教の里・多久市

多久市は四方を山に囲まれた盆地にあり、自然が豊かで古くから教育を大切にしてきた地域です。江戸時代、多久領は財政的に厳しい状況にありましたが、多久茂文は教育によって人材を育てることが領地の発展につながると考え、学校と聖廟を建設しました。

その教育を重んじる精神は現在も多久市に受け継がれており、「孔子の里」と呼ばれるほど教育文化が根付いた地域となっています。

多久聖廟の保存と修復

多久聖廟は長い年月の間に白蟻の被害や雨漏りなどで傷みが生じましたが、国や県の補助を受けて大規模な修復工事が行われました。その結果、平成2年(1990年)に創建当時の姿に近い形で復元され、現在も美しい姿を見ることができます。

地域の人々の努力によって大切に保存されてきた建物であり、多久茂文の教育への思いも現在まで受け継がれています。

多久聖廟の観光の魅力

歴史と文化を学べる観光地

多久聖廟は単なる観光地ではなく、日本の教育の歴史や儒学文化を学ぶことができる貴重な場所です。建物の美しさや彫刻の細かさ、歴史的な背景などを知ることで、より深く観光を楽しむことができます。

静かな雰囲気の散策スポット

聖廟の周囲には庭園や自然が広がっており、静かな雰囲気の中でゆっくりと散策を楽しむことができます。歴史的な建物と自然の景観が調和し、落ち着いた時間を過ごすことができる場所となっています。

まとめ

孔子の里・多久聖廟は、江戸時代に建立された歴史ある孔子廟で、日本の儒学文化と教育の歴史を今に伝える重要な文化財です。朱塗りの美しい建物、精巧な孔子像、300年以上続く伝統行事など、多くの見どころがあります。

学問の神様としての信仰だけでなく、日本と中国の文化が融合した歴史的建築としても価値が高く、歴史や文化に興味のある人にとって非常に魅力的な観光地です。多久市を訪れた際には、ぜひ訪れておきたい歴史観光スポットの一つです。

Information

名称
孔子の里・多久聖廟
(たくせいびょう)
Taku Seibyo (Confucius Village)
リンク
公式サイト
住所
佐賀県多久市多久町東の原
電話番号
0952-75-5112
アクセス

多久駅からバスで10分
多久駅からタクシーで10分

エリア
佐賀県の観光地 佐賀市周辺・鳥栖の観光地
カテゴリ
史跡・文化財・建造物・世界遺産

Gallery

佐賀市周辺・鳥栖

佐賀県

カテゴリ

エリア