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大洗磯前神社

(おおあらい いそさき じんじゃ)

平安時代創建の大海原を見下ろす古社

茨城県大洗町に位置する大洗磯前神社は、平安時代に創建され、江戸時代に徳川光圀によって再興された由緒ある神社です。海を見下ろす高台に鎮座し、歴史と自然が織りなす風景が訪れる人々を魅了しています。

平安時代から続く歴史

大洗磯前神社の創建は斉衡3年(856年)にさかのぼります。『日本文徳天皇実録』によれば、常陸国鹿島郡の大洗磯前に神々が現れたと伝えられ、その後、大己貴命(おおなむちのみこと)と少彦名命(すくなひこなのみこと)がそれぞれ大洗と酒列に祀られることになりました。この神社は、その由緒正しさから平安時代中期の『延喜式神名帳』にも名神大社として記載されています。

江戸時代に再興された社殿

中世には戦乱により荒廃したものの、江戸時代になって水戸藩二代藩主である徳川光圀によって再建が始まりました。元禄3年(1690年)には本殿・拝殿・随神門が完成し、現在の神社の姿が整えられました。これらの建造物は江戸時代初期の建築様式を今に伝えており、特に彫刻や茅葺きの屋根などにその時代の風格が感じられます。

拝殿の美しい彫刻

拝殿は、桁行5間、梁間2間の入母屋造りで、正面には赤い柱が特徴的です。拝殿には14の彫刻が施されており、外から見ることができる10枚の彫刻は特に見応えがあります。これらの彫刻は鳥や植物をテーマにしたもので、江戸時代初期の職人技が光る作品です。また、拝殿前には「無事にかえる」「物がかえってくる」などのご利益があると言われる三匹のカエルの像が寄り添っています。

本殿の茅葺き屋根と石積み

本殿は茅葺きの一間社流造で、江戸時代初期の技術が集結した建物です。2011年の震災後には修復が行われ、現在もその美しい姿を保っています。本殿を囲む塀には細かい網目模様の石積みが施されており、江戸時代の石工たちの技が見て取れます。

神磯の鳥居とその神聖な意味

大洗磯前神社のシンボルとも言える「神磯の鳥居」は、海の中に立つ白い鳥居です。この鳥居は、御祭神が降臨されたと伝わる神聖な場所「神磯」に建てられており、特に日の出の時刻には幻想的な光景が広がります。

元旦には初日の出を拝むために多くの参拝客が訪れ、また、年間を通じて多くの写真愛好家が絶景を求めて集まります。

随神門と備前焼の狛犬

大洗磯前神社の随神門は、神域を守る神々が両脇に鎮座する荘厳な門です。この門には、御祭神にゆかりのあるウサギや動物、植物が透かし彫りで描かれており、一本の木から彫り上げた精巧な細工が施されています。

門の前には珍しい備前焼の狛犬が神域を守っており、この狛犬は常盤神社にも奉納されている同じデザインのものです。

境内の見どころ

境内には、徳川光圀公が大洗磯前神社を訪れた際に詠んだとされる和歌「あらいその岩に砕けて散る月を 一つになしてかへる浪かな」が刻まれた石碑や、高浜虚子の句碑など、歴史的な遺産が点在しています。

境内末社である「與利幾神社」も見逃せません。この社は、安永6年(1777年)に発見された霊木を祀るために建立され、御祭神である大己貴命のお子様である建御名方命の御神木が寄ってきたと伝えられています。

大洗磯前神社の年中行事と信仰体系

大洗磯前神社では、元旦の初日の出奉拝式をはじめ、年間を通じて多くの行事が行われています。また、10kmほど北に位置する酒列磯前神社と深い関係があり、両神社が一つの信仰体系を形成しているとされています。これにより、大洗磯前神社は古くから家内安全や海上交通の守り神として信仰を集めてきました。

大洗磯前神社の魅力を感じて

歴史と自然が調和した大洗磯前神社は、訪れる人々に深い感動を与えるスポットです。その美しい景観と由緒ある歴史は、ただ参拝するだけでなく、訪れるたびに新たな発見があります。ぜひその魅力を体感しに訪れてみてください。

Information

名称
大洗磯前神社
(おおあらい いそさき じんじゃ)
Oarai Isosaki Shrine
リンク
公式サイト
住所
茨城県東茨城郡大洗町磯浜町6890
電話番号
029-267-2637
料金

無料

駐車場
70台
アクセス

電車・バス:鹿島臨海鉄道 大洗鹿島線「大洗駅」から循環バス海遊号で15分  大洗磯前神社下 バス停 下車 または タクシー5分

車:北関東自動車道 水戸大洗ICから15分 約5.5km

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