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伊勢神宮 内宮

(いせじんぐう ないくう)

全ての神社の上に立つ神社

伊勢神宮 内宮は、天照大御神を主祭神とし、ご神体として三種の神器の一つである八咫の鏡が祀られています。内宮は、五十鈴川のほとり、神路山のふもとに位置し、うっそうと茂る樹林に囲まれた神秘的な場所です。

参道には玉砂利が敷き詰められており、神聖な雰囲気が漂っています。また、20年に一度行われる式年遷宮の伝統は、1,300年以上にわたって続けられています。

皇大神宮

皇大神宮は、三重県伊勢市にある神社で、伊勢神宮の2つの正宮のうちの1つです。一般には「内宮」と呼ばれ、式内社(大社)に指定されています。豊受大神宮(外宮)とともに伊勢信仰の中心として重要な役割を果たしており、日本全国の神社で授与される神宮大麻は、この皇大神宮の神札です。

概要

皇大神宮は、天皇の親王の結婚に際して、新婚旅行として「神宮に謁するの儀」が行われることが通例となっています。通常、複数の神社を参拝する際は、格の高い神社から低い神社の順に参拝するのが一般的ですが、神宮の神事は外宮、内宮の順で行われます。これを「外宮先祭」と呼び、参拝も外宮、内宮の順で行うのが正しいとされています。ただし、式年遷宮の遷御は皇大神宮、豊受大神宮の順で行われ、奉幣(ほうへい)は豊受大神宮、皇大神宮の順で行われます。

別宮

皇大神宮には、境内に荒祭宮と風日祈宮があり、境外には月讀宮、瀧原宮、伊雑宮などがあります。また、境内・境外に27社・33座の摂社、16社・16座の末社、30社・30座の所管社が存在します。

建物

皇大神宮の建物は、外側から順に板垣・外玉垣・内玉垣・瑞垣の四重垣で囲まれており、南北の門には宿衛屋が設置されています。これらの建物は神職が交代勤務で24時間警備・管理を行っており、最寄り駅は近鉄鳥羽線の五十鈴川駅です。内宮の鳥居前町であるおはらい町(おかげ横丁)は、伊勢市を代表する観光名所として知られています。

祭神

皇大神宮の主祭神は、天照坐皇大御神(天照大御神)です。ご神体として、三種の神器の1つである八咫鏡が祀られています。相殿神としては、左方に天手力男神(あめのたぢからおのかみ)、右方に万幡豊秋津姫命(よろづはたとよあきつひめのみこと)が祀られています。天手力男神は弓を、万幡豊秋津姫命は剣を神体としています。

歴史

『日本書紀』によれば、天照大神は宮中に祀られていましたが、崇神天皇6年に笠縫邑に移され、豊鍬入姫命によって祀られました。その後、垂仁天皇25年には倭姫命が後を継ぎ、御杖代として天照大御神を祀るための土地を求めて各地を巡りました。そして垂仁天皇26年に伊勢国に到着し、「是の神風(かむかぜ)の伊勢の国は常世の波の重浪(しきなみ)の帰する国なり。傍国の可怜し国(うましくに)なり、この国におらんと欲ふ(この国に留まりたいと思う)」という天照大御神の神託を受け、倭姫命は五十鈴川上流の現在地に祠を建てて祀りました。これが皇大神宮の始まりです。

鎌倉時代初期に成立したと考えられる『倭姫命世記』には、天照大御神が各地を巡った経路が詳述されており、その途中に一時的に鎮座した場所は「元伊勢」と呼ばれています。また、伊勢では河川の氾濫が頻発し低湿地が広がっていたため、内宮は水害に遭いにくい河岸段丘上に建てられたという説があります。

明治時代以降

明治時代までは、僧侶が正宮に接近することは許されず、川の向こうに設けられた僧尼拝所から拝むことが定められていました。西行も僧尼拝所で神宮を拝み、感動の涙を流したと言われています。また、荒木田氏が祠官を世襲していましたが、明治以降は世襲制が廃止されました。

1945年(昭和20年)7月29日の宇治山田空襲により、宇治山田市は甚大な被害を受けましたが、内宮には被害がありませんでした。この「奇跡」により神職たちは「ご神威」に感涙したと伝えられています。第二次世界大戦後は元皇族の女性が代々の祭主を務めています。

境内の構造

内宮の境内には、正宮のほか別宮の荒祭宮と風日祈宮、所管社の滝祭神・御酒殿神・御稲御倉・由貴御倉・四至神が祀られています。宇治橋の東側には所管社の大山祇神社と子安神社があり、丘の上には神宮の祭祀をはじめとするすべての事務を取り扱う神宮司庁庁舎があります。

社地の面積は外宮の約10倍ほどあり、外宮とは異なり右側通行が採用されています。境内には神饌を調理する忌火屋殿、正宮に供える神饌を調理する儀式が行われる御贄調舎、撤下された神宝を保管する外幣殿、摂末社の遥祀などを行う五丈殿などがあります。

また、祭主や神職が潔斎を行う斎館や、天皇が宿泊する行在所、皇族から奉納された神馬を飼育する内御厩・外御厩もあります。

神楽殿

神楽殿では私祈祷の神楽が行われ、希望者は奉納の後に饗膳所で直会(なおらい)を行うことができます。神楽殿の神札授与所では、神楽の受付のほかにお札・お守り・神宮暦・御朱印の授与なども行われています。参拝者の休憩所である参集殿では、湯茶の提供や参宮記念品の授与も行われています。

正宮の構造

正宮は石段を上がった高台に鎮座しており、写真撮影は石段の下までしか許可されていません。石段の下には、祭事に用いるアワビを調製する御塩殿神社から運ばれる「御塩奉仕」を行う塩橋があります。

また、正宮は四重垣で囲まれ、外側から順に板垣・外玉垣・内玉垣・瑞垣で守られています。正宮の屋根は茅葺きで、千木がついており、その先端が水平に切られた男千木とされています。千木の先端の切り方により、正宮の性別を判別することができます。正宮は一見質素な造りですが、内側には絢爛豪華な装飾が施されています。正宮の周囲には、多くの松杉が茂り、瑞垣の周囲には神木が立ち並んでいます。正宮の背後には、かつて倭姫命の御陵がありましたが、現在は倭姫命の魂を祀る倭姫宮が鎮座しています。正宮の屋根の御軒の鰹木の本数は6本です。

Information

名称
伊勢神宮 内宮
(いせじんぐう ないくう)
Ise Jingu Inner Shrine
リンク
公式サイト
住所
三重県伊勢市宇治館町1
電話番号
0596-24-1111
営業時間

1月~4月 5:00~18:00
5月~8月 5:00~19:00
9月 5:00~18:00
10月~12月 5:00~17:00

定休日

年中無休

アクセス

伊勢市駅からバスで15分
近鉄・JR伊勢市駅または近鉄宇治山田駅・五十鈴川駅から外宮内宮循環バスに乗り停留所「内宮前」で下車

伊勢西ICから車で5分 *伊勢自動車道伊勢西ICで降り内宮方面へ5分

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