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安達太良山

(あだたらやま)

四季折々の表情を見せる雄大な景色と温泉が魅力

安達太良山は、福島県中部にある活火山です。標高1700メートルで、日本百名山、新日本百名山、花の百名山、うつくしま百名山に選定されています。山頂からは、磐梯山や吾妻山、飯豊連峰などの山々を一望することができます。

ロープウェイの山頂駅からすぐの薬師岳パノラマパークは絶好の紅葉ビュースポットです。9月中旬から山頂部の紅葉が始まり、およそ10月下旬まで見頃が続きます。

安達太良山

安達太良山は安達太良連峰火山群の主峰で、俗に「乳首山」とも呼ばれ、麓には多くの温泉が点在しています。『智恵子抄』で有名であり、石筵登山口からは約5時間で登頂できます。標高は1,700メートルです。

全体的に緩やかな山体で奥岳登山口からロープウェイが運行されており、初心者でも比較的登りやすい山とされています。山頂はなだらかですが、小岩峰が突き出ており、その形が乳首山という別名の由来となっています。

特徴

安達太良山は荒々しい山容を見せる安達太良火山の盟主であり、頂上からは広大な展望が得られます。山頂には二等三角点「大関平」1699.6メートルが設置されています。別名は、岳山(だけやま)、安達太郎山です。いくつかの登山コースがあり、猪苗代方面からのアクセスは沼尻登山口と横向温泉登山口の2箇所があります。

安達太良山は、約80万年前から火山活動を開始し、その後、数万年前までは活発な活動が続いていました。現在も、火山ガス噴出などの活動が確認されています。

紅葉とパノラマパーク

ロープウェイの山頂駅からすぐの薬師岳パノラマパークは絶好の紅葉ビュースポットです。9月中旬から山頂部の紅葉が始まり、およそ10月下旬まで見頃が続きます。燃えるような紅葉の絨毯と「ほんとの空」の抜けるような青空のコントラストは絶景です。

観光と高山植物

沼ノ平周辺の荒涼とした火山の景観が見どころです。また、ガンコウラン(岩高蘭)、クロマメノキ(黒豆の木)などの高山植物を始めとし、ヤエハクサンシャクナゲ(八重白山石楠花)、サラサドウダン(更紗灯台)、レンゲツツジ(蓮華躑躅)などが咲き誇り、田中澄江著『花の百名山』の一座にも選ばれています。この火口を中心とする優れた景観と、そこに生育する高山植物等を保護するため、磐梯朝日国立公園に指定されています。

温泉とスキー場

安達太良山周辺には、岳温泉、奥岳温泉、塩沢温泉、野地温泉、横向温泉、沼尻温泉など、多くの温泉場があります。冬には、あだたら高原、塩沢、箕輪の各スキー場が運営され、スキーやスノーボードを楽しむこともできます。緩やかな山体から山スキーのメッカとしても名高いです。

地質と火山活動の歴史

安達太良山の火山活動は、約80万年前の大規模な火砕流の噴出で始まったとされ、その後溶岩流を噴出する活動に移行しました。藤縄明彦 (1980) は、地質学的に活動を三期に分けました。

第1期

約45万年前から60万年前の鬼面山などの活動、約35万年前の前ヶ岳を中心とした活動。

第2期

活動が最も活発であった時期で、約25万年前に箕輪山から和尚山にかけての山体主要部を形成。この時期におけるマグマ噴出率は最大であって、1,000年あたり0.1km³と見積もられます。

第3期

南北に連なる鬼面山、箕輪山、鉄山、安達太良山、和尚山の上部を形成。約12万年前以降から約8万年間の活動が平穏な期間を挟み、約3万年前からは1万年から2万年間隔で小規模なマグマ噴出が繰り返されました。1万年前からは沼ノ平火口からのブルカノ式噴火を6回繰り返し、最新のマグマ噴出活動は約2,400年前ですが、少量の堆積物を残すような活動は500年から1,500年間隔で生じています。約2,400年前の活動では酸川流域に、沼ノ平火口壁崩壊に伴うラハール(火山泥流)堆積物を残しています。

有史以降の火山活動

1899年(明治32年)には沼ノ平火口で噴気活動が活発化し、火焔現象を観測。8月24日には水蒸気噴火がありました。1900年(明治33年)7月17日には中規模な水蒸気噴火が発生し、死者72名を出す大きな災害となりました。1997年には沼ノ平火口で登山者4名が有毒火山ガスのため死亡する事故が発生しました。

災害対応

磐梯山から望む安達太良山系の全容と山名が見られるハザードマップでは、噴火時に主に猪苗代町を被害の対象としていますが、西よりの風が常風のため、二本松市側にも大量に降灰する可能性があります。気象庁では地震計、空振計、GPS観測装置、カメラを設置し常時観測を行っています。火山噴火予知連絡会によって火山防災のために監視・観測体制の充実等が必要とされています。

登山と山小屋

安達太良山は全体として緩やかな山体で、夏期でも奥岳から薬師岳にスキー場のゴンドラリフトが運行されており、標高1300メートル付近までは難なく上れるため、初心者でも比較的登りやすいです。主な登山口は、奥岳(二本松市)、塩沢温泉(二本松市)、野地温泉(福島市)、沼尻(猪苗代町)、石筵(郡山市)です。

登山コース

奥岳登山口 - 勢至平 - くろがね小屋 - 峰の辻 - 安達太良本山
所要約3時間

奥岳登山口 - 薬師岳 - 五葉松平 - 安達太良本山
所要約2時間30分、奥岳 - 薬師岳はゴンドラ「あだたら山ロープウェイ」

表登山口 - 仙女平 - 安達太良本山
所要約3時間30分

塩沢温泉登山口 - くろがね小屋 - 峰の辻 - 安達太良本山
所要約3時間30分、塩沢温泉 - くろがね小屋は渓谷沿いの道。冬季通行止
途中に滝(三階滝・八幡滝)や巨大な岩(屏風岩)などがあり、紅葉がとても美しい。途中、深い渓谷沿いの鎖場など危険な箇所あり。

沼尻登山口 - 胎内岩 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
所要約3時間15分、硫黄川流域の荒涼とした風景と胎内岩の岩くぐりが楽しめる

沼尻登山口 - 障子ヶ岩 - 船明神山 - 安達太良本山
所要約3時間15分

野地温泉登山口 - 鬼面山 - 箕輪山 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
所要約4時間45分(縦走コース)

横向登山口 - 箕輪山 - 鉄山避難小屋 - 鉄山 - 安達太良本山
所要約3時間45分

銚子ヶ滝登山口 - 和尚山 - 安達太良本山
所要約4時間。途中、石筵川上流の渡渉があり水量の多い時期は要注意

山小屋

くろがね小屋は通年営業している山小屋で、源泉の引いてある温泉山小屋として知られています。くろがね温泉を名乗っており、日帰り入浴もできるため、登山客に人気があります。この温泉の歴史は古く、1,000年以上前に記された文献にも登場します。なお、岳温泉はここから引湯しています。

Information

名称
安達太良山
(あだたらやま)
Mt. Adatara
リンク
公式サイト
住所
福島県郡山市(郡山市、二本松市、大玉村)
電話番号
0242-62-2048
営業時間

ロープウェイ運行時間 8:30~16:30(山麓駅発最終15:50)

料金

無料

ロープウェイ往復
大人 2,000円
子供 1,500円

駐車場
1500台(10月の紅葉期の土日祝日は第一駐車場のみ有料 1,000円)
アクセス

磐越道磐梯熱海ICから車で10分 *母成グリーンライン経由 → 母成グリーンライン駐車場から徒歩で20分 *石筵登山口

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