秋田県から青森県にかけて広がる山々の総称で、この自然の宝庫は、屋久島とならんで1993年に日本で初めてユネスコ世界遺産(自然遺産)に登録されました。
人々の手が加わっていない原生的なブナ天然林は、世界最大級の規模を誇ります。
ブナ林が形成されたのは、最終氷期から8000年前頃。540種以上の植物が自生し、ブナだけでなく、カツラ、ハリギリ、アサダなどの大木も生い茂っています。
さらに、合計4000種類以上の生き物がこの地に生息しており、見るべきものが豊富です。
鳥類には、キツツキの種類の中でも最も多く見られるクマゲラをはじめ、イヌワシ、クマタカ、シノリガモなどが生息。
哺乳類では、ツキノワグマ、カモシカ、ニホンザルが生息しています。なかでも、ニホンザルが群れとして生息するのは、秋田県の白神山地だけという特別な場所です。
昆虫類には、約2,300種以上が確認され、新種の昆虫も数種が発見されています。
白神山地内にブナ林に囲まれた33の湖沼群があり、総称して「十二湖」と呼ばれます。十二湖は、1704年の大地震によってできたと言われています。
中でも有名なのが「青池」。鮮やかなコバルトブルーに輝くこの池は、水中に朽ちたブナの大木が横たわり、池底に倒れた木が見えるほど透明でありながら、インクを流したようなハッキリとした青の湖面が神秘的です。
同じように青色の湖水が美しい「沸壷の池」の湧水は、「青森県の名水」「平成の名水100選」にも選ばれています。
落口の池の前にある茶屋「十二湖庵」で、名水「沸壺池の清水」で淹れた抹茶とお菓子を無料で提供しています。ただし、こころざし箱に気持ちを入れていただけると、今後の運営のためになるそうです。
森林浴をしながらのハイキングの途中に立ち寄ると、オアシスのような癒しを感じならが、ひとやすみすることができます。
そして、十二湖へ向かう途中にある絶景スポットがあります。それが、日本キャニオン。
長い年月をかけて浸食された山の岩肌がむき出しになっており、周囲の木々に映える白い岩肌の断崖が美しく、アメリカのグランドキャニオンに似た光景を見ることができます。
また「十二湖の森」には、4つのおすすめセラピーロードが設定されています。時間や体力に合わせて、青池・沸壺の池コース、金山の池ショートコース、金山の池・糸畑の池ロングコース、王池のコースの中から、自分に合ったコースを選んで歩いてみるのもおすすめです。
十二湖の近くに位置する「森の物産館キョロロ」では、軽食、お土産の販売などを行っており、山へのトレッキングやハイキングの拠点として親しまれています。
JR十二湖駅からも路線バスが出ているため、車がなくてもアクセス可能です。ハイキングの途中に立ち寄って、ゆっくりと休憩することができます。
「十二湖リフレッシュ村」は、十二湖のほとりにあるキャンプ場です。ログハウスやテントサイトでキャンプを楽しむことができます。
特に、フィンランドのアカマツを使用した本格的なログハウスは、リゾート気分を盛り上げます。また、十二湖まで徒歩圏内であり、白神山地の観光も満喫することができます。
奥羽本線弘前駅から車で約1時間10分
青森空港から車で約1時間50分
東北自動車道大鰐弘前ICから車で約1時間25分