宮古島市の下地島にある通り池は、大小2つの円形の池が地下でつながっている不思議な場所です。一の池は直径75メートル、水深45メートル。二の池は直径55メートル、水深25メートル。地上からは2つの池が並んでいるように見えますが、これらは地下でつながっていて、海側の池は洞穴で海とも通じているのです。このような池の構造から「通り池」と名付けられました。
通り池は海とつながっているため、潮の満ち引きによって水面が上下します。深さによって、塩分濃度や水温にも差があるため、さまざまな魚介類が生息しています。ダイビングスポットとしても人気があります。
通り池の形成は、海岸にあった鍾乳洞が波によって侵食され、大きくなっていったことから始まりました。天井が部分的に崩落して陥没ドリーネが形成され、海水が浸入して通り池が生まれたのです。周囲には、カレンフェルトと呼ばれるカルスト地形が広がっており、学術的に貴重な植物が分布しています。この自然環境が評価され、2006年に国の名勝及び天然記念物に指定されました。
通り池の先には、同じような陥没ドリーネが点在しており、その中の一つである鍋底池も、洞窟で海につながっているそうです。遊歩道が整備されていましたが、2016年の台風で損壊し、現在は通行止めとなっています。
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