由布岳のふもとに広がり、今も多く残るワラ葺屋根と近代的な建物がうまく調和した落着きのある温泉郷。
温泉湧出量、源泉の数は同じく大分県の別府温泉に次ぐ全国第2位と湯量が豊富。
由布院駅からの方向に延びる通称「由布見通り」や、金鱗湖に続く「湯の坪街道」には、しゃれた雑貨屋やレストランが並び、周辺には各種の美術館が点在している。
宿泊施設はにぎやかな町並みから外れた周辺の川端や林の間、丘の上などにある。
ネオンサインのきらめく歓楽街はなく、高層のホテルもない田園的な名残を残していて、女性に人気が高い。
夏は高原性の気候で涼しく、避暑を兼ねた観光客が多く、自然が生かされた観光地だけに訪れる人も家族づれから若者のグループと層が厚い。
朝霧の名所として知られ、山間の盆地特有の朝霧が、独特の雰囲気をかもし出す。
朝霧は冬季で気温が低く、放射冷却の起こりやすい晴天の日の朝によく見られる。
盆地のすぐ東には標高1160メートルの倉木山があるため、霧が晴れるのは盆地に朝日が届いて周辺が明るくなってから。
下ん湯
由布院温泉の中心、澄んだ水をたたえる金鱗湖畔にある茅葺きの東屋の外湯。
一般客も入浴できる簡素な共同温泉で、混浴で脱衣所も1つのみ。
内風呂と冬は仕切りが入り内風呂になる半露天風呂があり、他のシーズンは外から丸見えになるが、目前に広がる金鱗湖を眺めながら入浴できる。
ゆったりとしたコンクリートの湯船には単純温泉、40~50度の湯が豊富にあふれている。
湯はリューマチ・婦人病・皮膚病などに効果がある。この素朴な下ん湯の前に昔の馬の洗い場があり、今は洗濯などに使われている。
共同浴場には洗濯を終えた婦人が、子供と一諸にのんびりと湯に浸る姿も見られる。金鱗湖は湖底の一部から温泉が湧き出している。
由布院駅から徒歩で5分