社殿36,000平方メートルの広大な神域、九州一のみかげ石の大鳥居。
年末になるとギネスブックにも認定された「世界一の門松」が登場。
高さ11メートル以上の巨大門松は年明け方までライトアップされ、荘厳な雰囲気の中で新しい年が迎えられる。1940年に創建。
橘神社は、長崎県雲仙市千々石町に位置する歴史ある神社です。この神社は、橘周太陸軍中佐を主祭神として祀っています。橘公園内には、橘中佐、釧雲泉、千々石ミゲルといった千々石の三大先人の史跡が数多く残されており、地域の歴史と文化を深く感じることができます。
橘神社は1940年(昭和15年)に創建されました。地元出身で日露戦争に従軍し、遼陽会戦で首山堡高地にて戦没した橘周太陸軍中佐(没後昇進)を祀るために建立されました。神社の名前は、橘中佐が植えたとされる橘の木に由来しています。橘神社は、橘周太中佐の偉業を称えるとともに、地域の守護神として多くの人々に崇拝されています。
橘神社の社殿は、伝統的な神社建築の美しさを保ちながら、歴史的な価値を持つものです。拝殿、本殿、幣殿などが連なり、その堂々とした佇まいが訪れる人々を魅了します。また、境内には多くの巨木や自然石が点在しており、四季折々の自然の美しさを楽しむことができます。
特に注目すべきは、境内にある橘の木です。この木は、橘中佐が植えたとされる伝説の木で、神社のシンボルとなっています。また、境内には湧水が流れる清らかな小川があり、参拝者に癒しのひとときを提供しています。
橘神社では、年間を通じてさまざまな祭事や行事が行われています。春には花まつり、夏にはこども相撲大会、秋には遠足、冬には初詣や橘ぜんざいと、季節ごとに多彩な催し物が催されます。特に初詣は人気があり、県内でも三番目に多い参拝者数を誇ります。毎年1月の大寒の日には、近くの千々石川で寒中みそぎが行われ、地元の伝統行事として多くの参加者が集まります。
橘神社の鳥居前には、高さ14.1メートル、胴回り8メートルの大門松が立ち、参拝客を迎えます。この大門松は過去にギネス記録にも認定されたことがあり、多くの観光客がこの壮大な門松を見るために訪れます。大門松は年末から明け方までライトアップされ、荘厳な雰囲気の中で新年を迎えることができます。
橘神社の境内には、北村西望による橘中佐の銅像が立っています。この銅像は、橘湾を望む勇ましい姿を彫刻したもので、多くの参拝者が訪れるスポットとなっています。また、橘中佐の生家の一部を移築した橘中佐遺徳館もあり、その偉業と人柄を偲ぶことができます。
神社の境内には、天正遣欧使節でローマまで赴いた千々石ミゲルと江戸時代中期の南画家釧雲泉の記念碑もあり、地域の歴史を学ぶことができます。さらに、橘公園は桜の名所としても知られ、春には約1000本の桜が咲き誇り、多くの花見客で賑わいます。
橘神社へのアクセスは、公共交通機関と車の両方が利用可能です。最寄り駅はJR九州の「諫早駅」で、駅からバスで約1時間の距離にあります。また、車を利用する場合は、長崎自動車道の「諫早IC」から約30分で到着します。神社周辺には無料の駐車場も完備されており、観光シーズンでも利用しやすい環境が整っています。
神社の拝観時間は午前9時から午後5時までで、入場は無料です。ただし、特別な行事が行われる際には、拝観時間が変更されることがあるため、訪問前に公式サイトで確認することをおすすめします。
橘神社を訪れる際には、境内の自然環境と歴史的建造物を尊重することが大切です。特に、指定された参拝路から外れないようにし、植物や石に触れないように注意しましょう。また、祭事の際には多くの参拝者が訪れるため、混雑を避けるために早めに訪れることをおすすめします。
橘周太中佐は、慶応元年9月15日に長崎県千々石村小倉に生まれました。彼は優れた学業成績を誇り、15歳で上京して二松学舎三島毅の私塾で漢学を学び、17歳で陸軍幼年学校に合格しました。22歳で陸軍士官学校歩兵科を卒業し、その後多くの重要な役職を歴任しました。
橘中佐は、田舎出身の一少年として努力を重ね、上司の統率方針を分析し隊員の訓練に情熱を注ぎました。彼は部下に対する思いやりと厳しさを兼ね備えた指導者であり、その姿勢は多くの人々に感銘を与えました。特に、部下と苦楽を共にする姿勢は、部隊の士気を高め、深い信頼を得るものでした。
明治24年には東宮武官として皇太子殿下(後の大正天皇)の侍従武官を務め、軍事学や漢学、体操、武術、馬術、水泳の教育に尽力しました。明治29年には台湾守備中隊長として赴任し、民生の安定にも努め、地元の郷民からも深く親しまれました。その後も多くの著書を世に送り出し、教育者としての役割を果たしました。
橘中佐は、名古屋地方幼年学校校長としての勤務を経て、明治37年に戦時勤務第二群管理部長に任命され、8月9日に歩兵34連隊第一大隊長として第一線に出陣しました。そして、遼陽城首山堡で壮烈な戦死を遂げました。
橘神社の背後には、釜蓋城跡があります。これは歴史的な名所であり、橘神社を訪れる際には併せて訪れることをおすすめします。周辺には美しい自然や歴史的な遺跡が点在しており、散策しながら地域の歴史を感じることができます。
橘神社は、その深い歴史と自然美が融合した神社で、多くの人々に愛されています。橘周太中佐を祀るこの神社は、地域の信仰の中心としてだけでなく、観光名所としても魅力的なスポットです。ぜひ一度、橘神社を訪れて、その歴史と 美しさを体感してみてください。
諌早駅からバスで40分