高千穂峡は、宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井に位置し、五ヶ瀬川にかかる美しい峡谷です。阿蘇山の南東約25kmに位置し、柱状節理が発達した深い谷が特徴的です。自然の雄大な景観と歴史的な背景が織りなす、訪れる人々を魅了するスポットです。
阿蘇熔岩が五ヶ瀬川によって浸蝕されてできた峡谷で、高いところで100メートル、平均80メートルの断崖が7kmも続く景勝地です。阿蘇くじゅう国立公園内に位置しています。
峡谷には、玉垂の滝・真名井の滝・あららぎの滝など複数の滝があり、急峻な崖も見られます。新緑と紅葉の頃には、透き通った青い水とのコントラストが特に美しいです。
貸ボートに乗ることで、切り立った断崖と降り注ぐ滝を間近で見上げることができます。
渓谷沿いには約800メートルの遊歩道があり、ボートに乗らなくても、高さ17メートルの水の壁である水滝をはじめとした渓谷美を鑑賞できます。
渓谷の清水を使った夏のそうめん流しでも知られています。また、夏季には渓谷内の真名井の滝をライトアップしていて、幻想的な光景が見られます。
高千穂峡は、1934年(昭和9年)に「五箇瀬川峡谷(高千穂峡谷)」として国の名勝および天然記念物に指定されました。1965年(昭和40年)には祖母傾国定公園の一部に指定されています。主な名所としては、「真名井の滝」、「玉垂の滝」、「あららぎの滝」などがあります。
高千穂峡は、阿蘇山の噴火活動(火砕流)によって堆積した溶岩が急激に冷却され、五ヶ瀬川による浸食作用を受けて形成されたV字型の峡谷です。基盤は秩父帯のスレート・砂岩層で、約12万年前の阿蘇山の噴出による火砕流堆積物が河谷下部を構成しています。さらに、峡谷の遊歩道上部には約9万年前の火砕流堆積物があり、両者は溶結して一体となっています。
高千穂峡の断崖は平均で高さ80m、高いところでは100mにも達し、東西に約7kmにわたって続いています。この壮大な自然の景観が訪れる人々に強い印象を与えています。
真名井の滝は、高千穂峡のほぼ中央に位置し、高さ17メートルの美しい滝です。日本の滝百選の一つにも選ばれ、その神秘的な景観で多くの観光客を魅了しています。
神話によれば、天村雲命(あめのむらくものみこと)という神が天孫降臨の際にこの地に水がなかったため、水種を移し、それが天真名井として湧水し、滝となって流れ落ちているとされています。神話と自然が交差するこの場所は、特別な雰囲気を醸し出しています。
真名井の滝周辺は、7月中旬から9月中旬の期間中、午後10時までライトアップが行われています。幻想的な夜の景観は訪れる人々を一層引きつけ、昼間とは違った魅力を楽しむことができます。
「真名井の滝」付近には、峡谷に沿って遊歩道が整備されており、「真名井の滝」や「仙人の屏風岩」、「槍飛橋」などの名所を巡りながら高千穂神社まで歩くことができます。「槍飛橋」から高千穂神社までは、階段状の山道が続くため、歩きやすい靴や服装での訪問が推奨されます。
高千穂遊歩道(全長1km)は2022年(令和4年)の台風14号の影響で一部区間が通行止めとなっていましたが、2024年(令和6年)3月1日に約1年半ぶりに全面開放されました。
峡谷は貸しボートで遊覧することができ、日本の滝百選の一つである「真名井の滝」の至近までボートで近づくことが可能です。この体験は高千穂峡を訪れる観光客に人気のアクティビティの一つです。
夏には近くのお茶屋「千穂の家」でそうめん流しを楽しむことができます。自然の涼しさを感じながらのそうめん流しは、訪問者にとって特別な思い出となるでしょう。
高千穂峡は高千穂町が管理していますが、五ケ瀬川水系の共同漁業権は西臼杵漁業協同組合が保有しています。過去には貸しボートへの影響を考慮して漁業権の行使を自粛していましたが、遊漁者の要望により理事会で漁業権の行使が決定されました。2024年(令和6年)3月1日には、ヤマメ釣りが解禁されました。
高千穂峡を訪れる際は、自然の中での観光となるため、動きやすい服装と歩きやすい靴を選ぶことが重要です。また、観光シーズンには多くのボートが浮かぶため、混雑が予想されることもあります。事前の準備をして、快適な訪問を楽しんでください。
ボート営業時間
受付 8:30~16:30
ボート30分(定員3名)
大人 4,100円~
高千穂駅から車で7分