宮﨑神宮

(みやざき じんぐう)

宮崎神宮

宮崎神宮は、宮崎県宮崎市神宮に位置する神社です。旧社格は官幣大社で、現在は神社本庁の別表神社として認められています。この神社は、地元では親しみを込めて「神武さま」と呼ばれています。

概要と社名の由来

宮崎神宮の歴史は非常に古く、かつては「神武天皇宮(社)」や「神武天皇御廟」などと称されていました。しかし、明治6年(1873年)に「宮崎神社」と改称され、その後、明治11年(1878年)に「宮崎宮」と再び改称されました。そして、大正2年(1913年)に神宮号が許可され、現在の「宮崎神宮」という社名に至りました。

社名の由来

社名の変遷は、神社の歴史的な位置づけやその時代の背景を反映しています。地元の人々には長い間「神武さま」として親しまれており、歴史的にも深い繋がりがあります。

祭神と祭祀

宮崎神宮の主祭神は神日本磐余彦尊(かむやまといわれびこのみこと)、すなわち神武天皇(初代天皇)です。また、神武天皇の父神である鸕鷀草葺不合尊と母神の玉依姫命の二柱も配祀されています。

神武天皇と宮崎神宮

神武天皇が東征する以前に宮を営んだ地とされる鎮座地は、神社の由緒に深く関わっています。この地で神武天皇の皇孫である建磐龍命(阿蘇神社の祭神)が神社を創祀したと伝えられ、崇神天皇の時代に社殿が初めて建立されたと言われています。

宮崎神宮の歴史

宮崎神宮の歴史は長く、文献上の初見は鎌倉時代初期に遡ります。当時、当地の地頭職にあった土持信綱が現在の社地に社殿を造営し、1197年に皇宮屋(現在の境外摂社)から遷座した記録があります。中世には神武天皇が「日向の宮崎の宮」から東征したという説が広まり、宮崎神宮がその帝都であったと考えられるようになりました。

近世から現代にかけての発展

江戸時代には、延岡藩が宮崎神宮を所領し、寛永21年(1644年)には藩主有馬康純が社殿を造営しました。その後、明治維新の際に神武天皇が再び脚光を浴び、宮崎神宮は全国的に知られるようになりました。明治6年(1873年)に県社とされ、明治8年(1875年)に国幣中社、明治18年(1885年)には官幣大社へと昇進しました。

宮崎神宮の境内

境内の主要建造物

宮崎神宮の境内には、一之鳥居、二之鳥居、三之鳥居、神門、拝所、拝殿、本殿などが配置されています。また、神池や神田、徴古館(旧・宝物館)も存在し、歴史的な価値を持つ建物が多く見られます。特に、本殿は方3間の切妻造妻入で、明治40年に狭野杉を用いて建設された珍しい例です。

社殿の設計

本殿の設計は、東京帝国大学名誉教授で東洋の古建築を研究し、その学問的体系を確立した伊東忠太が手掛けました。平成22年(2010年)には、「国土の歴史的景観に寄与している」として本殿を始め11棟の建造物が国の登録有形文化財に登録されました。これは、宮崎県内では2例目の神社建築としての登録です。

摂末社と関連神社

宮崎神宮の摂社である皇宮神社は、東宮から北西に約1km離れた市内下北町に鎮座しています。この神社は、神武天皇を主祭神とし、吾平津媛命と手研耳命を相殿に祀っています。神武天皇の宮跡と伝えられるため、「皇宮屋」とも呼ばれています。また、末社の五所稲荷神社では宇迦魂神が祀られ、市内の複数の神社を合祀しています。

神事と行事

神武天皇祭

毎年4月3日に行われる神武天皇祭では、神事流鏑馬が行われます。この流鏑馬は、1940年の紀元2600年奉祝行事の一環として復興されたもので、古儀に則った伝統的な形式で執り行われます。4月3日は神武天皇の崩御の日でもあり、特別な意味を持つ日となっています。

宮崎神宮大祭

例祭後の土曜日と日曜日には、宮崎神宮大祭(御神幸祭)が行われます。この祭りでは、神輿を中心にシャンシャン馬や稚児行列が、瀬頭と大淀の御旅所まで練り歩きます。この行事は隔年で御旅所が交替し、地域全体で盛大に行われます。

文化財と天然記念物

国の登録有形文化財

宮崎神宮の本殿、幣殿、渡殿、神饌所、御料屋、透間垣、拝所、正門、玉垣、石柵、徴古館などが、国の登録有形文化財として登録されています。これらの建造物は、日本の歴史的景観に寄与しており、神社建築として高い評価を受けています。

国の天然記念物

宮崎神社のオオシラフジは、日本最大のものとされており、国の天然記念物に指定されています。このオオシラフジは明治40年に当時の宮崎町長が移植したもので、幹が二つに分かれ、根周りが2.95m、樹高が約6.35mに達しています。樹齢は平成初年時点で約600年とも200年とも言われており、長い歴史を持つ木です。

宮崎神宮は、その豊かな歴史と文化財によって、日本全国からの崇敬を集めています。神武天皇にゆかりのある神社として、今後も地域の信仰と文化の中心としてその役割を果たしていくことでしょう。

自然と景観

宮﨑神宮の境内は、豊かな自然に囲まれています。参道には大きなクスノキが並び、四季折々の美しい景色が楽しめます。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が見事です。訪れる人々は、神聖な空間で自然の美しさを堪能できます。

アクセスと参拝情報

宮﨑神宮へのアクセスは、宮崎市中心部からバスや車で約15分です。公共交通機関を利用する場合は、宮崎駅から宮交シティ行きのバスに乗り、宮﨑神宮前で下車するのが便利です。駐車場も完備されており、車での訪問も可能です。境内は一年中公開されており、特に祭事の際には多くの参拝者で賑わいます。

周辺観光

宮﨑神宮を訪れた際には、周辺の観光スポットも併せて楽しむことができます。宮崎市には、青島やフェニックス・シーガイア・リゾートなど、美しい自然や観光施設が多くあります。また、郷土料理を楽しむことができるレストランや、地域の特産品を販売するお土産屋も充実しています。

まとめ

宮﨑神宮は、その歴史と自然の美しさ、そして豊かな文化遺産で多くの人々を魅了しています。神武天皇を祀る神社としての重要性と、地域の信仰の中心地としての役割を担い続けています。宮崎を訪れる際には、ぜひ宮﨑神宮を訪れて、その魅力を体感してください。

Information

名称
宮﨑神宮
(みやざき じんぐう)
Miyazaki Jingu Shrine
リンク
公式サイト
住所
宮崎県宮崎市神宮2-4-1
電話番号
0985-27-4004
アクセス

宮崎駅から車で15分

エリア
宮崎県 宮崎市・都城・日南
カテゴリ
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