青島は、宮崎県宮崎市の南東部に位置する架橋された小さな島で、日向灘に面しています。青島神社が鎮座する神聖な地であり、周囲を取り囲む奇岩や亜熱帯植物群落が見どころです。この島は「鬼の洗濯板」と呼ばれる自然地形が特徴で、観光客に人気があります。
青島は、周囲約860メートル、面積約4.4ヘクタール、高さ約6メートルの小さな島で、かつては陸繋島で、現在も対岸と「弥生橋」によって結ばれています。島内には青島神社があり、観光地として広く知られています。青島とその周辺の青島海岸は、青島海水浴場をはじめとする一大観光地として発展してきました。
青島の周辺には、砂岩と泥岩が交互に重なり合った油津層群という地層が存在し、この地層が海に沈降した後、波による浸食と隆起により、階段状の独特な地形が形成されました。この地形は巨大な洗濯板のように見えるため「鬼の洗濯板」と呼ばれています。この地形は、日本国の天然記念物「青島の隆起海床と奇形波蝕痕」に指定されています。鬼の洗濯板は、青島周辺の象徴的な風景で、訪れる観光客に自然の壮大さを感じさせます。
青島には、200種類以上の植物が確認されており、その中でも熱帯性・亜熱帯性植物が27種含まれています。この植物群落は、北半球最北の亜熱帯植物群落として知られており、特にビロウの大群落が貴重とされています。そのため、青島の植物群落は「青島亜熱帯性植物群落」として国の特別天然記念物に指定されています。
この場所に亜熱帯性植物が存在する理由として、2つの説が提唱されています。一つは「海着帰化植物説」で、黒潮によって南方から植物が運ばれ繁栄したとする説です。もう一つは「遺存説」で、かつて日本に自生していた植物が、この地域で取り残され現在まで生き延びたとされるものです。現在では、遺存説が有力とされています。
青島は、江戸時代の明和年間から明治維新まで「淡島」や「粟島」とも呼ばれていましたが、それ以前の文献には「青島」とも記されています。文明年間や天正年間の土地寄進に関する文書にもこの名前が登場し、また神社の再興に関する記録でも「青島」とされています。
青島神社は島の中心に鎮座しており、かつては神聖な場所として一般の立ち入りが禁じられていました。しかし、1737年に神主・長友肥後が藩主に願い出て、旧暦の3月後半の一時期だけ一般参詣が許可されました。明治以降は通年で訪れることができるようになり、現在では多くの参拝者や観光客が訪れています。
昭和期に入ると、青島海岸には遊園地や海水浴場が整備され、ホテルも建設され、観光地としての地位を確立しました。2003年には年間約70万人もの観光客が訪れ、その人気が続いています。青島は、自然と歴史が調和した魅力的な観光地として多くの人々に愛され続けています。
青島の観光施設として知られる「青島ビーチビレッジ」は、2017年に再開発が開始され、宿泊施設やレストラン、商業施設が整備されました。2022年には「NOT A HOTEL」がオープンし、青島は観光だけでなく、滞在型リゾートとしても注目されています。
青島へは、JR日南線の青島駅で下車するか、宮崎交通バスを利用してアクセスすることができます。青島駅やバス停からは、弥生橋を渡って島へ向かうことができます。
青島は、その独特な地形や豊かな自然、そして神聖な歴史を持つ魅力的な観光地です。訪れる人々にとっては、自然と歴史の調和を楽しむことができる場所であり、再開発によりさらに多くの人々に親しまれる場所となっています。宮崎を訪れる際には、ぜひこの美しい島を訪れてみてください。
青島駅から徒歩で15分