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天岩戸神社

(あまのいわと じんじゃ)

天岩戸神社は、宮崎県西臼杵郡高千穂町に位置する神社で、岩戸川を挟んで東本宮と西本宮が存在します。旧社格は村社で、神社本庁の別表神社に指定されています。

日本の古代神話における重要な聖地です。この神社は、神話の中で天照大神(あまてらすおおみかみ)が隠れたとされる岩戸を祀る場所として知られています。天岩戸神社は、古代からの信仰の対象であり、多くの参拝者が訪れる神聖な場所です。

社名と由来

西本宮の名称は、天岩戸を拝することに由来しています。昭和45年に合併し、現在のように天岩戸神社東西両本宮を称するようになりましたが、それ以前の旧称は西本宮が「天磐戸神社」、東本宮は「氏神社」でした。また、東本宮はかつて「天磐戸大神宮」とも呼ばれ、その名は現在も西本宮社務所で授与される神札「天岩戸大神宮」に残り、地元の年配者を中心に通称として用いられています。

祭神

西本宮

西本宮の祭神は大日孁尊(おおひるめのみこと)で、これは天照大神の別名とされています。岩戸川の対岸に位置する断崖の中腹にある「天岩戸」と呼ばれる岩窟を神体とし、この岩窟は日本神話に登場する天岩屋であると伝えられています。御旅所には、天鈿女命、手力男命、大年神、素盞嗚尊、日子穂穂手見命、豊玉毘売命、菅原道真公の7柱が配祀されています。

東本宮

東本宮の祭神は天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)で、皇祖神であることを示す名です。かつてはイザナギノミコトとイザナミノミコトを祀っていたとする史料もあります。社殿の背後には御神水があり、その側に「大神宮」の祠があります。

神話的背景

天岩戸神社の由来は、日本神話に登場する「天照大神」の伝説に深く関わっています。神話によれば、天照大神は弟の「素戔嗚尊」(すさのおのみこと)の乱暴な行動に怒り、天岩戸に隠れてしまいました。このため、世界は暗闇に包まれ、人々は困窮しました。神々が協力して岩戸を開けるための策略を講じた結果、天照大神は岩戸から出てきて、世界に光をもたらしました。この神話に基づき、天岩戸神社は神聖な場所として祀られています。

歴史

東本宮と西本宮はもともと独立した社であり、共に皇祖神である天照大神を祀っていましたが、その信仰の中心は在地住民にありました。西本宮は天岩戸を神体とする古くからの信仰形態を示すものであり、瓊瓊杵尊が天岩戸の故事を偲び、その古跡に鎮祭したことが起源とされています。西本宮は、弘仁3年(812年)に大神惟基によって再興され、戦国時代には焼失することが多かったものの、延岡藩主の援助で再建されました。

東本宮も創祀時代は不明ですが、昌泰年間(898-901年)の古記録によれば、思兼神が天岩戸より出御した天照皇大神を、東本宮の地に造営した社殿に鎮座を願ったのが始まりとされています。その後の歴史は明確ではないものの、元禄4年(1691年)の『高千穂旧記』の寺社一覧表に「岩社 岩神」とあり、これが当時の東本宮を指すと考えられています。

神事

西本宮祭(5月2・3日)

春季大祭であり、初日には西本宮にて関係者が列席する中、式典が行われます。2日目には、東本宮の神霊を2基の神輿に遷して神幸式が斎行されます。神幸の隊列には棒術組、神楽組が加わり、臼太鼓も伴います。

東本宮祭(9月22・23日)

秋季大祭であり、秋の稔りを感謝する行事です。式典や御神幸祭の手順は春季大祭とほぼ同じで、地元住民による五神火祭という恒例行事がありました。

天岩戸夜神楽三十三番大公開まつり(11月3日)

国の重要無形民俗文化財である高千穂の夜神楽が奉納される祭りで、午前9時30分ごろから夜11時ごろまでにかけて行われます。祭りでは、天岩戸神楽と呼ばれる全33番の神楽が披露されます。

主要な社殿と境内

天岩戸神社の境内には、主に「天岩戸」と呼ばれる岩窟があり、ここが神話で語られる岩戸の伝承に基づく重要なスポットです。境内には「天岩戸神社本殿」や「神楽殿」などの社殿があり、神話にちなんだ祭りや儀式が行われています。本殿は、木造の伝統的な建築様式で、美しい自然環境に囲まれており、参拝者に深い安らぎを提供しています。また、境内には「御神木」や「神楽殿」などもあり、神社の神聖な雰囲気を感じることができます。

社殿

東本宮本殿は昭和31年に造営された神明造で、西本宮は昭和61年に造営されました。西本宮は特有の造りを持ち、拝殿左脇には配祀神を祀る御旅所があります。

文化財

天岩戸神社には、町指定有形文化財の石灯籠や出土品、そして町指定天然記念物である古代イチョウがあります。

境内

天岩戸遥拝

天岩戸を拝むことは長年の悲願であり、2020年12月18日に初めて注連縄が張られました。西本宮の背後にある遥拝所から天岩戸の一部を拝むことができますが、写真撮影は禁止されています。

七本杉

七本杉は、天岩戸の崖上の社有地にある御神木で、根元がつながった状態で植えられています。現在、この付近の森は禁足地となっていますが、2014年に東本宮裏から七本杉近くまで伸びる遊歩道が完成し、間近で見ることができるようになりました。

所在地住所

所在地は「高千穂町大字岩戸1073-1」で、西本宮にある社務所の正式な住所です。しかし、神社が発行する資料では「高千穂町天岩戸1073-1」という表現が用いられることが多いです。

御神水

東本宮の社殿の裏には御神水があり、杉の御神木の根元から湧き出しています。これは東本宮の神聖な場所として、多くの参拝客が訪れます。

アクセスと周辺情報

天岩戸神社へのアクセスは、宮崎県内の交通機関を利用するのが便利です。最寄りの空港は「宮崎空港」で、そこからはバスやレンタカーを利用してアクセスすることができます。また、JR日豊本線の「高千穂駅」からもアクセス可能で、駅からはバスやタクシーで天岩戸神社まで移動できます。周辺には、高千穂峡や高千穂町の観光スポットが多数あり、自然や歴史を楽しむことができます。特に高千穂峡は、美しい渓谷や滝があり、観光と自然散策を楽しむのに適した場所です。

訪問のヒント

天岩戸神社を訪れる際は、神話にちなんだ歴史的な背景を理解しながら参拝することをお勧めします。また、神社の境内は広く、自然環境に囲まれているため、歩きやすい靴や服装を準備することが重要です。特に、祭りや行事の際には多くの人で賑わうため、混雑を避けるために事前に情報を確認してから訪れることをお勧めします。神社の雰囲気を十分に楽しむために、静かに参拝し、神聖な場所でのマナーを守るようにしましょう。

まとめ

天岩戸神社は、宮崎県高千穂町に位置する神聖な神社で、日本神話の「天照大神」の伝説に由来する重要な場所です。神話にちなんだ岩戸や社殿、伝統的な祭りや行事が訪れる人々を魅了し、深い歴史と神聖な雰囲気を提供しています。アクセスも良好で、周辺の観光スポットと合わせて訪れることで、より充実した旅が楽しめます。天岩戸神社で、日本の神話と歴史を体験し、神聖なひとときを過ごしてみてください。

Information

名称
天岩戸神社
(あまのいわと じんじゃ)
Amano-Iwato Shrine
リンク
公式サイト
住所
宮崎県西臼杵郡高千穂町大字岩戸1073-1
電話番号
0982-74-8239
アクセス

高千穂バスセンターからバスで20分
高千穂バスセンターから車で10分

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