太宰府天満宮は、学問の神として知られる菅原道真の廟所であり、全国の天満宮の総本社です。境内には、「飛び梅」と呼ばれる菅原道真が京都から飛んできたとされる梅の木があり、他にも196種、約6,000本の梅の木があります。梅の名所としても広く知られています。
参道では、名物の梅ヶ枝餅が販売されており、1月の鬼すべや9月の神幸祭には特に多くの人々で賑わいます。本殿は重要文化財に指定されています。
太宰府天満宮(だざいふてんまんぐう)は福岡県太宰府市宰府に位置し、旧社格は官幣中社、現在は神社本庁の別表神社です。神紋は梅紋で、菅原道真を祭神として祀っています。初詣には九州内外から毎年200万人以上が訪れ、年間では850万人以上が参拝する人気の神社です。京都の北野天満宮とともに全国天満宮の総本社とされ、菅公の霊廟として厚く信仰されています。
太宰府天満宮の祭神は菅原道真公であり、学問の神として広く知られています。
右大臣であった菅原道真は昌泰4年(901年)に左遷され、筑前国の大宰府で903年に亡くなりました。その後、道真の遺骸を葬ろうとすると、牛車が動かなくなり、その場所に廟が建立されました。その後も都では疫病や異常気象が続き、道真の祟りとされました。
延喜19年(919年)、道真の墓所の上に社殿が造営されました。しかし祟りは続き、皇太子や高級貴族が次々と死亡する事態が発生しました。ついには延長8年(930年)、清涼殿に落雷があり、貴族が死傷しました。これにより、道真は太政大臣追贈などの慰撫の措置が行われ、御霊信仰が頂点に達しました。
その後、安土桃山時代の天正19年(1591年)、本殿が小早川隆景により再建されました。江戸初期には黒田氏が国主となり、社域の整備や社殿の修復が行われ、九州でも多くの観光客を集める神社となりました。
明治時代には神仏分離の処置により、多くの社僧が復飾・還俗や財産処分を余儀なくされ、天満宮の御神体であった道真公の御親筆の法華経も焼き捨てられ、安楽寺は廃寺となりました。その後、社号を太宰府天満宮に復しました。
菅原道真は「学問の神様」であると同時に「文化の神様」としても信仰され、各時代の人々による和歌・連歌・歌舞伎・書画の奉納を通じて文芸・芸能・芸術と関係が深まりました。
参道を登りつめた先には延寿王院があり、ここは幕末維新の策源地とされ、三条実美たち公卿5人が滞在しました。土佐脱藩の土方久元や中岡慎太郎、薩摩の西郷隆盛、長州の伊藤博文、肥前の江藤新平、坂本龍馬なども来訪しました。
太宰府天満宮、北野天満宮、防府天満宮を合わせて「三天神」と呼びます。三天神には諸説あり、太宰府と北野天満宮までは共通しますが、あとの一つを大阪天満宮とする説もあります。
2023年5月より124年ぶりに本殿の改修が行われ、約3年間、菅公の御神霊は仮殿に移されます。仮殿の設計は建築家の藤本壮介が手掛け、黒を基調とし、屋根の上に梅などの森が広がる現代的かつ斬新なデザインとなっています。
初詣(歳旦祭): 1月1日
鬼すべ: 1月7日
鷽替え: 1月7日
初天神祭: 1月25日
梅花祭: 2月25日
曲水の宴: 3月第1日曜日
斎田御田植祭: 6月中旬
神幸式大祭: 9月21日〜9月25日
例祭: 9月25日
秋思祭: 旧暦9月10日
特別受験合格祈願大祭: 10月18日
本殿は五間社流造で、屋根は檜皮葺。正面には1間の唐破風造の向拝を設け、左右側面には各1間の唐破風造の車寄を付けています。廻廊が前方の楼門まで廻らされているのが特徴です。本殿は明治40年(1907年)5月27日に古社寺保存法に基づく特別保護建造物に指定され、昭和25年(1950年)の文化財保護法施行に伴い重要文化財とされました。昭和41年(1966年)6月11日付で棟札9枚と板札2枚が重要文化財の附として指定されています。
能楽: 世阿弥の『老松(おいまつ)』が有名です。この能では、筑紫安楽寺(太宰府天満宮)に行くと、老人と若い男が梅の垣を囲っている場面から始まります。飛梅と老松の謂われを語り、神々しい姿で去るという粗筋です。江戸時代には徳川将軍家で「高砂」とともに筆頭祝言曲とされていました。
歌曲: 大和田建樹の『鉄道唱歌』第2集山陽九州篇には、太宰府天満宮に関する部分が多く含まれています。道真の生涯や業績、そして天満宮の情景が歌われています。
小説: 住野よるの『君の膵臓をたべたい』では、主人公と桜良が太宰府天満宮を訪れるシーンが描かれています。2017年の映画化の際には、実際に太宰府天満宮でロケも行われました。
国宝: 翰苑巻第卅(書跡) - 平安時代の作。1954年(昭和29年)3月20日指定。
重要文化財(国指定):
飛梅にまつわるものが多く、太宰府天満宮の御神酒は梅酒です。また、参道には梅ヶ枝餅という餡入りの焼き餅を販売している店が並んでおり、その製作風景も楽しめます。
表参道から境内の奥まで、いたるところに茶屋があり、その多くは梅ヶ枝餅を用意しています。吉井勇が「お石茶屋」について詠んだ歌も有名で、多くの著名人が訪れています。
開門時刻
春分の日より秋分の日の前日まで 6時00分
上記以外の日 6時30分
閉門時刻
4月・5月・9月・10月・11月 19時00分
6月・7月・8月 19時30分
12月・1月・2月・3月 18時30分
西鉄太宰府駅から徒歩で5分