日本屈指の渓谷
昇仙峡は、切り立った断崖の間に奇岩・珍石・名石が並ぶ、日本屈指の渓谷です。特に新緑や木々の色彩が深まる紅葉の時期は、その美しさが見事です。
国の特別名勝
国内有数の景勝地である御嶽昇仙峡は、国の特別名勝に指定されています。また、「日本五大名峡」の一つに数えられ、「日本一の渓谷美」ともいわれています。そのため、全国観光地百選・渓谷の部第1位に選ばれました。
全長約5キロメートルの渓谷
長潭橋(ながとろばし)から仙娥滝までの全長約5キロメートルに亘る渓谷は、川が花崗岩を深く侵食したことにより形成されました。渓谷内には、柱状節理の花崗岩および輝石安山岩の奇岩が至る所に見られます。
見どころ
昇仙峡には多くの見どころがあります。
昇仙峡ロープウェイ
ロープウェイを利用すれば、標高1,058メートルの羅漢寺山の山頂まで約5分で到着します。天気が良ければ、富士山を目の前に拝むことができます。
昇仙峡(しょうせんきょう)は、山梨県甲府市、甲府盆地北側、荒川上流に位置する渓谷です。特別名勝に指定されており、国内有数の景勝地で、「日本五大名峡」の一つにも数えられます。
1923年(大正12年)に国の名勝に指定され、1953年(昭和28年)には特別名勝に指定されました。特別名勝としての指定名称は御嶽昇仙峡(みたけしょうせんきょう)ですが、一般には御岳昇仙峡と常用漢字体で書かれることが多いです。秩父多摩甲斐国立公園に属し、同公園を代表する景勝地として知られています。
長潭橋(ながとろばし)から仙娥滝までの全長約5キロメートルにわたる渓谷は、川が花崗岩を深く侵食したことにより形成されました。渓谷内には、柱状節理の花崗岩および輝石安山岩の奇岩が至る所に見られます。日本二十五勝、平成の名水百選などにも選定されています。
渓谷は天神森地区の長潭橋から始まりますが、途中の能泉地区までの渓谷沿いは車道が狭く、シーズン中の土日祝日は車両通行規制が行われ、歩行者専用になります(平日は上り方向の一方通行)。その先の能泉地区から仙娥滝の間が渓谷のハイライトで、観光客の多くは駐車場が整備されている仙娥滝付近を中心に訪れます。
年間を通して多くの観光客で賑わい、自家用車で訪れる人も多いです。紅葉が見られる観光シーズンの11月の土日は、周辺の道路が渋滞するほど賑わいます。そのため、公共(県営)駐車場もあり、観光施設や土産物店にも駐車場が併設されています。施設店舗を利用すれば、無料のところがほとんどです。
神社:
金櫻神社、夫婦木神社、夫婦木神社姫の宮
寺院:
羅漢寺
湖水:
能泉湖
ダム:
荒川ダム
滝:
仙娥滝(日本の滝百選)、大滝
ロープウェイ:
昇仙峡ロープウェイ
橋梁:
長潭橋、新静観橋、静観橋、昇仙橋、羅漢寺橋、有明橋、愛のかけ橋、千田橋
岩石:
覚円峰(昇仙峡のシンボル)、石門、天狗岩、めまい岩、よろい岩、かぶと岩、筆立岩、えぼし岩、登竜岩、寒山拾得岩、五月雨岩、ふぐ石、はまぐり石、松茸石、ねこ石、富士石、ラクダ石、猿石、トーフ岩、オットセイ岩、大砲岩、亀石
金峰山信仰と昇仙峡:
昇仙峡を含む奥秩父山塊には甲信国境に金峰山があり、古来から山岳信仰が広まりました。甲府方面から昇仙峡を通過し、金峰山頂に至る吉沢口など修験道の道として御嶽道が存在していました。
戦国時代には、甲斐守護・武田氏と扇谷上杉氏との婚姻に反発した甲斐国人が甲府を退去し、御岳において信虎と抵抗しました。天正壬午の乱では徳川家康・北条氏直が甲斐へ侵攻し、御岳においても甲府市御岳町の御岳城、甲斐市下芦沢の御岳芦沢小屋に御岳衆らの兵が配置されました。
御岳新道の開削と観光開発:
江戸時代には荒川上流の猪狩村(甲府市猪狩町)と周辺諸村は製炭が盛んで、御岳道を通過していました。江戸後期には猪狩村名主・長田森右衛門が下帯那村へ通じる新道の開発を計画しましたが、実現しませんでした。その後、天保4年(1833年)には長田円右衛門とその甥・勇右衛門が再び御岳新道の開発を計画し、甲府勤番士や甲府城下の商人から寄付金を募り、工事は成功しました。
1887年(明治20年)には「御嶽昇仙峡」が命名され、大正時代には甲府市内から昇仙峡までの道路が次々と整備されて観光地として一新されました。1923年(大正12年)には名勝指定を受け、1953年(昭和28年)には文化財保護法により特別名勝となりました。
近代には山梨県の主要産業として観光業が振興され、1972年(昭和47年)には御岳昇仙峡有料道路が開通し、主要な観光地として整備されました。2009年には読売新聞社主催の「平成百景」において、富士山に次ぐ第2位に選ばれました。
甲府駅より山梨交通バス 昇仙峡滝上線に乗車し、昇仙峡滝上までは約45分です。覚円峰の麓にある仙娥滝から弥三郎岳頂上にあるパノラマ台まで、昇仙峡ロープウェイが運行されています。所要時間は5分で、20分間隔で運行されています。晴れていれば山頂から富士山、南アルプスを望むことができます。
なお冬季(12/1 - 3/31)は、甲府駅からのバスが昇仙峡口までの運転となるため、その先に進む場合は循環バスなどへの乗り継ぎが必要です。
昇仙峡に名称の由来を持つ食事として、御岳そばがあります。御岳そばの御岳は、昇仙峡の正式名称である御岳昇仙峡を意味します。
甲府駅からバスで30分