熊野速玉大社の摂社で、ご神体はごとびき岩と呼ばれる山上にある巨岩。
【創建年代】大和
神倉神社(かみくらじんじゃ)は、和歌山県新宮市に位置する神社で、紀伊半島の自然豊かな山間にあります。この神社は、その歴史の深さと美しい自然環境で知られ、多くの参拝者や観光客に親しまれています。神倉山の山頂に鎮座し、神聖な雰囲気とともに壮大な景色を楽しむことができます。
神倉神社は、古代からの歴史を持つ神社で、その起源は神話の時代にまで遡ると言われています。日本書紀や古事記にも登場するこの地は、熊野三山の一つである熊野速玉大社の元宮として知られています。伝説によれば、この場所は神武天皇が東征の際に立ち寄った神聖な場所とされています。
神倉神社の主祭神は、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)です。この神は熊野速玉大社の主祭神でもあり、古くから海上安全や航海の守護神として信仰されてきました。神倉神社の御神体は巨岩で、この岩は「ごとびき岩」と呼ばれ、神聖視されています。
神倉神社は神倉山の山頂に位置しており、参拝には急な石段を登る必要があります。この石段は538段あり、険しい登り道ですが、登り切ると美しい景色と神聖な雰囲気が待っています。石段の両側には木々が生い茂り、自然の中での参拝を楽しむことができます。
神倉神社では、年間を通じてさまざまな祭事やイベントが行われています。特に有名なのが、毎年2月6日に行われる「お燈まつり」です。この祭りは、火の祭りとして知られ、全国から多くの参拝者が訪れます。参拝者は松明を持ち、神倉山を駆け下りることで知られ、その勇壮な光景は圧巻です。
神倉神社は、自然に囲まれた美しい環境にあります。神倉山からの眺望は素晴らしく、山頂からは新宮市街や熊野灘を一望することができます。特に、早朝や夕方には幻想的な風景が広がり、多くの写真愛好家にも人気です。また、周辺には豊かな自然が広がり、四季折々の景色が楽しめます。
神倉神社へのアクセスは、新宮駅から徒歩約20分と比較的便利です。新宮駅から神社までの道のりは、風情ある町並みを楽しみながら歩くことができます。また、神倉神社の周辺には熊野速玉大社や熊野本宮大社など、熊野三山の他の重要な神社もあり、合わせて訪れることでより深い歴史と文化を感じることができます。
神倉神社は、歴史的・文化的な重要性だけでなく、自然環境の保護という観点からも大切な存在です。地元の人々や参拝者によって環境保護活動が行われており、美しい自然が守られています。また、神社は地域の信仰の中心であり、地元コミュニティにとっても重要な役割を果たしています。
神倉神社は、その歴史的な背景、美しい自然環境、そして神聖な雰囲気で訪れる人々を魅了します。険しい石段を登る苦労を超えてたどり着く神社は、まさに神聖な場所としての価値を感じさせてくれます。和歌山県新宮市を訪れる際には、ぜひ神倉神社に足を運び、その魅力を体感してみてください。
JR紀勢本線「新宮駅」→
路線バスで10分「裁判所前」下車
または徒歩15分