日本で最初に毘沙門天が安置された霊場として知られています。この寺院は紅葉の名所としても有名です。
根本山神峯山寺は、697年に役小角(役行者)によって毘沙門天を祀ったことが当寺の起源とされ、774年に光仁天皇の子息である開成皇子によって創建された。
神峯山寺は、江戸時代に7つの堂と21の伽藍および僧坊、1300石の寺領を持ち、天皇の勅願所で、仏教の聖地として比叡山や葛城山と並ぶ7高山の一つとされていました。
歴代天皇や室町幕府三代将軍の足利義満などからの寄進も多く、大いに栄えました。
神峯山寺の本堂には、日本で最古級とされる開運福徳の神・毘沙門天像のご本尊、聖観世音菩薩立像、阿弥陀如来像が安置されています。いずれも国の重要文化財です。
また、秋には、約300本の紅葉が鮮やかに色づき、樹齢400年の古木である夫婦紅葉は特に見事です。
神峯山寺は大阪府立北摂自然公園に属し、一帯を総称して神峯山と呼ばれています。原生林が現存しており、参道には勧請掛けが張られ、聖域と俗世の境界を示すとされています。
境内には、開山の祖・役小角や中興の祖である開成皇子の像が安置されており、皇室との緊密な関係が十六八重菊紋などから確認できます。
かつては七高山と呼ばれた修験霊場の一角であり、修験者が使用した修行の道や滝、葛城山(金剛山)遥拝所を示す石標などが境内に点在しています。
神峯山の参道入口には石造の鳥居があり、仁王門前には狛犬があるなど、神仏混淆の風土が今も残されています。
また、神峯山寺の毘沙門信仰は時代の変遷によって信奉者や祈願の内容が異なる点で興味深く、開山期には修験霊場の聖地に鎮座する神として祀られ、平安期以降は皇室から国家安泰の勅願所に指定されました。
さらに、鎌倉末期からは福徳先勝を祈願する武将達の信仰の対象となり、江戸時代には大坂商人による商売繁盛祈願の巡礼地でもあったそうです。
国家安泰の祈願は、幕末・明治においても続けられていたとされています。
この地には野鳥や草花などが多数生息しており、参拝者のほかにもハイカーやバードウォッチャーなどの訪問者も多いのです。
野鳥には、ホトトギス、ツツドリ、サシバ、コゲラ、ヤマガラ、ウグイス、ヤブサメ、オオルリ、イカルなどがいます。国指定天然記念物のモリアオガエルも生息しています。
また、草木には90種以上の樹木と180種5万株の植生が生息しており、ムクノキ、ケヤキ、ヒイラギ、ヤマツバキ、テイカカズラ、スイセン、キンセイラン、リンドウ、キクなどが含まれます。
紅葉の見頃は例年11月下旬から12月上旬で、境内には約400本のモミジがあります。また、神峯山一帯には落葉樹が多数植生しており、11月下旬には全山が紅葉し、非常に美しい景色を見ることができます。
9:00~17:00(冬季は16:00まで)
無休
境内への入山は紅葉期以外は無料
紅葉期のみ300円
仏像拝観は「拝仏料」として2000円
祈願法要と茶菓子を含む
JR京都線「高槻駅」から市バス「原大橋」行に乗り換え「神峯山口」下車 東へ1.3km