幾度もの再建を経て受け継がれる歴史
伝承では、八坂の塔は592年に聖徳太子によって創建されたとされています。この伝承の信憑性には議論があるものの、法観寺が平安京の遷都以前から存在した古い寺院であることは確かとされています。
塔は長い歴史の中で、火災や落雷によって何度も失われ、そのたびに再建されてきました。1179年に焼失した後、1191年に鎌倉幕府初代征夷大将軍の源頼朝の援助によって再建。さらに1291年の落雷による焼失後、1309年に後宇多天皇の援助で再建されました。
1436年にも焼失しましたが、1440年に室町幕府第6代征夷大将軍の足利義教の援助によって再建されました。現在の塔はこのときのもので、重要文化財に指定されています。
五重塔の内部を拝観
八坂の塔は、重要文化財に指定された五重塔の内部を拝観できる貴重な存在です。公開日には塔内の2層目まで上がることができ、急な階段を登った先の窓から、京都の町並みを眺められます。
初層には、大日如来を中心とする五智如来像が安置されています。拝観時には、仏像や壁画のほか、礎石や心柱など、五重塔の構造や仏教文化に関わる見どころも確認できます。
ただし、塔内の階段は急で危険なため、中学生未満は拝観できません。また、内部の公開は不定期で、寺院関係者の都合に合わせて行われます。シーズン中の週末などに公開されることがありますが、確実に拝観したい場合は、事前に電話などで公開状況を確認しておくと安心です。
法観寺の境内にある見どころ
八坂通りからは、法観寺の境内を眺めることができます。五重塔だけでなく、境内には仏像や歴史にまつわる施設も点在しています。
薬師堂
薬師如来をはじめ、日光菩薩、月光菩薩、夢見地蔵菩薩、十二神将像などが安置されています。
太子堂
聖徳太子の3歳と16歳の姿を表した像が安置されているお堂です。
八坂稲荷神社・聴鐸庵
境内には八坂稲荷神社や茶室「聴鐸庵」もあります。五重塔とともに、寺院の歴史や境内の落ち着いた雰囲気を感じながら散策を楽しめます。