約1200年前に創建されたといわれる本山修験宗の別格本山。平安時代から広まった観音信仰の西国三十三ヶ所巡礼の十番札所として現在も多くの人が訪れています。所蔵の仏画や仏像には藤原時代のものが多く、霊宝殿、わが国で最も古い清涼寺式釈迦像として有名な釈迦如来立像などがあります。庭園は、枯山水と池泉回遊式になっています。花の寺としても有名で、春に2万株のツツジ・初夏には1万株のアジサイやハスの花が咲きます。境内の鐘楼脇には源氏物語宇治十帖「浮舟」の古跡があります。【創建年代】770年~780年
三室戸寺(みむろとじ)は、京都府宇治市に位置する、真言宗智山派の寺院です。山号は明星山で、本尊は千手観音。平安時代から続く歴史を持ち、美しい庭園と季節ごとの花々で知られています。特に、紫陽花やツツジの名所として、多くの観光客が訪れます。
三室戸寺の創建は古く、奈良時代の770年に遡ります。開基は光仁天皇の勅願により、僧・行基が創建したと伝えられています。平安時代には、嵯峨天皇や後白河法皇など、多くの天皇や貴族の信仰を集めました。戦国時代には兵火により荒廃しましたが、その後再建されました。
現在の本堂は、江戸時代中期に再建されたもので、堂内には本尊の千手観音が安置されています。この千手観音像は重要文化財に指定されており、その美しい姿は訪れる人々を魅了します。さらに、本堂内には多くの仏像や仏具があり、歴史的価値が高いものが揃っています。
三室戸寺の庭園は、四季折々の花々で彩られています。特に有名なのが、5月のツツジと6月の紫陽花です。ツツジ庭園は2万株のツツジが咲き乱れ、紫陽花園は1万株以上の紫陽花が咲き誇ります。秋には紅葉、冬には椿と、一年を通じて美しい景観を楽しむことができます。
三室戸寺では、年間を通じて様々な行事や祭りが行われています。特に有名なのが、毎年5月に行われる「三室戸寺つつじまつり」と、6月の「三室戸寺あじさいまつり」です。これらの祭りでは、境内が花で埋め尽くされ、多くの参拝者で賑わいます。また、秋の紅葉シーズンにはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気を楽しむことができます。
三室戸寺には、多くの文化財や貴重な所蔵品があります。これには、重要文化財に指定されている仏像や絵画、古文書などが含まれます。特に、平安時代に作られた千手観音像や、鎌倉時代の阿弥陀如来像は見逃せません。これらの文化財は、寺の歴史と信仰の深さを物語っています。
三室戸寺へのアクセスは、京都市内からも便利です。JR奈良線の宇治駅から京阪宇治線に乗り換え、三室戸駅で下車。駅から徒歩約15分で到着できます。また、車で訪れる場合も、周辺に駐車場が整備されています。
三室戸寺は、その美しい庭園と豊かな歴史、文化財で、多くの人々に愛される場所です。季節ごとの花々や祭り、歴史的な仏像や建物など、見どころが豊富です。京都を訪れる際には、ぜひ一度足を運んで、その魅力を体感してみてください。
4月~10月 8:30~16:30
11月~3月 8:30~16:00
年中無休
【大人】500円
【中学生】300円
【小学生】300円
京阪宇治線三室戸駅から徒歩で20分