天高く伸びる竹が整然と立ち並び、爽やかな緑が空まで覆う景色は圧巻。
両脇に手入れされた竹林が400メートルにわたって続き、サラサラと風になびく葉の音や、竹の隙間から差し込む淡い光で、和の風情を感じられる京都の代表的な観光地。
平安時代より嵯峨野は、皇族や貴族の離宮、山荘をかまえる景勝地として有名だった。
北西にある小倉山は紅葉の名所として、桂川を挟んで向かいの嵐山には13世紀末に後嵯峨上皇が吉野の桜を嵐山に移植してより桜の名所として親しまれてきた。
しかしながら、この竹林がいつ、どうやってできたのか詳細は全く分かっていない。
この壮大な竹林に惹かれ、多くの観光客が訪れている。
竹林の小径は小道の途中から始まり、野宮神社まで続く。
野宮神社は1000年頃、平安時代に紫式部が書いた長編物語「源氏物語」の舞台にもなっていて、樹皮がついたままの鳥居「黒木の鳥居」や美しい苔の庭園があり、長い年月の風情がある。
野宮神社から少し歩くと「古都京都の文化財」としてユネスコ世界遺産に登録されている天龍寺の北門の先から再び始まり、大河内山荘庭園まで続いている。
1年を通して緑色が続くので、どの季節に訪れても同様の景色が見られるが、紅葉の季節にもっとも竹が美しいとされる。
俳句で「竹の春」は秋の季語として用いられるように、竹の葉は秋に新緑となり、初夏に黄色く色づいて落葉する一般の落葉樹とは季節が逆になっている。
また竹は成長と共に色合いが変わり、若い竹は淡いめの緑の若竹色、成長した竹は濃い緑色の青竹色、年老いた竹はくすみを帯びた緑色の老竹色となる。
曇っていると空一面を竹が覆っているため日中でも覆薄暗い。
雪景色や人が少ない早朝、ライトアップされた竹林は非日常感が増し幽玄の世界に誘われる。
嵐山・嵯峨野は桜と紅葉の名所が多く、
渡月橋や竹林の小径を人力車に乗って観光することができる。
散策自由
嵐電嵐山駅から徒歩6分