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湯村温泉

(ゆむら おんせん)

湯村温泉は、兵庫県美方郡新温泉町大字湯(旧温泉町、旧但馬国)にある温泉地です。山陰東部の山峡に位置し、閑静な湯治場として知られています。その開湯は平安時代初期の848年であり、長い歴史を誇ります。

「湯けむりの郷」としても親しまれており、1981年のNHKドラマ『夢千代日記』(吉永小百合主演)のロケ地として全国的にその風情が知られるようになりました。このドラマをきっかけに、「夢千代の里」とも呼ばれるようになりました。

温泉の特徴

泉質

湯村温泉の中心的な泉源である「荒湯」は、ナトリウム - 炭酸水素塩・塩化物・硫酸塩泉(低張性、弱アルカリ性高温泉)という泉質を持ち、源泉温度は驚異の98℃です。この温度は日本一であり、湧出量は毎分470リットルに達します。湯村温泉全体では、総源泉数が60を超え、総湧出量は毎分2,300リットルに達します。特に「美人の湯」としても名高く、メタケイ酸が192.5ミリグラム含まれていることから、肌に優しい泉質とされています。

温泉街

湯村温泉の温泉街は「荒湯」を中心に広がっており、春来川を挟んでホテルや旅館が軒を連ねています。温泉街には24軒ほどの宿泊施設があり、特に定員500名クラスの大型ホテルが2軒存在します。これにより、湯村温泉は大規模な温泉街の一つとして位置づけられています。1981年の『夢千代日記』の放映を機に観光客が急増し、ピーク時には年間30数万人の訪問者を迎えました。

春来川と温泉街の情景

春来川は、湯村温泉街の中心を流れる川で、その風情ある情景は特に冬の夜に際立ちます。川の水面から立ち上る湯煙が、温泉街に独特の雰囲気をもたらしています。特に「荒湯」は、98℃という高温の湯が噴き出す場所であり、その熱さを利用してゆで卵や野菜を茹でることができるスポットとしても知られています。冬場には周囲の側溝からも湯気が立ち上り、温泉街全体が湯けむりに包まれる様子は、まさに「湯けむりの郷」の名にふさわしいものです。

施設・旧所名跡

リフレッシュパークゆむら

リフレッシュパークゆむらは、自然の中にある温泉リゾート施設で、露天風呂で森林浴と温泉浴、日光浴を楽しむことができます。13種類の風呂や温水プールがあり、多彩なリラクゼーションが楽しめます。

ふれ愛の湯

ふれ愛の湯は、74人が同時に入浴できる公衆足湯で、湯村温泉の温かみを手軽に感じられるスポットとして人気があります。

薬師湯

薬師湯は、温泉街の中心「荒湯」の近くに位置する外湯で、2008年に現在の場所に移転しました。ここでは、温泉の温水を利用した熱電発電が行われており、環境にも配慮した施設です。

ふれあい手形散歩道

春来川沿いの遊歩道「ふれあい手形散歩道」には、訪れた吉永小百合をはじめとする多くの芸能人や文化人の手形が残されており、温泉街の歴史と文化を感じられる場所となっています。

夢千代館と夢千代の銅像

夢千代館では、『夢千代日記』の物語や昭和20〜30年代の湯村温泉の風景をジオラマなどで再現し、訪れる人々にその時代の雰囲気を伝えています。また、館の裏手には足湯「アオギリの湯」があり、ここでも温泉街の魅力を堪能できます。さらに、荒湯の向かいには吉永小百合をイメージした「夢千代の銅像」が建立されており、多くの観光客が訪れる記念スポットとなっています。

イベント

湯村の火祭り

湯村温泉では、毎年8月に「湯村の火祭り」が春来川で開催されます。この祭りは江戸時代から続く新温泉町指定無形民俗文化財で、町の重要な伝統行事です。

ライトアップ湯村

照明デザイナーの石井幹子による「ライトアップ湯村」も見どころの一つです。温泉街の中心を流れる春来川とその周辺が毎日日没から22時まで美しくライトアップされ、その幻想的な光景が訪れる人々を魅了します。

七福神湯めぐり

「七福神湯めぐり」は、湯村温泉の各湯を巡りながら七福神の像を拝観することができるイベントです。「湯めぐり札」を購入することで、指定の内湯や外湯に入ることができるこのイベントは、温泉と信仰が融合したユニークな体験を提供します。

周辺観光スポット

霧ヶ滝渓谷と周辺の自然

湯村温泉の周辺には、霧ヶ滝渓谷、小又川渓谷、赤滝渓谷などの美しい自然が広がっています。これらの渓谷は四季折々の風景が楽しめるハイキングスポットとして人気があります。

但馬御火浦

さらに、但馬御火浦は日本海に面した絶景スポットであり、雄大な海岸線と共に豊かな自然を満喫することができます。

浜坂温泉郷と七釜温泉

湯村温泉から少し足を延ばせば、浜坂温泉郷や七釜温泉などの温泉地も訪れることができます。特に浜坂温泉は、以命亭や加藤文太郎記念図書館、浜坂県民サンビーチなど観光スポットが充実しており、幅広い層に人気です。

アクセス

公共交通機関

湯村温泉へはJR西日本山陰本線浜坂駅から新温泉町民バス(夢つばめ)を利用し、約25分でアクセス可能です。また、夏季や秋季の土曜・日曜・祝日には、夢但馬周遊バス「たじまわる」も運行され、便利に訪れることができます。

高速バスと自家用車

大阪・神戸からは全但特急バスが湯村温泉直行便を運行しており、自家用車では北近畿豊岡自動車道八鹿氷ノ山インターチェンジから国道9号を経由してアクセスできます。

温泉街の魅力と体験

湯村温泉はその長い歴史と豊かな自然環境を背景に、多くの観光客を魅了してきました。温泉街全体に漂う湯けむりと、春来川沿いの風情ある情景は、訪れる人々に日本の温泉文化を堪能させてくれます。湯治や観光だけでなく、地元の特産品を味わうこともでき、特に但馬牛や地元の野菜を使った料理は絶品です。さらに、温泉街のイベントや周辺の自然散策を楽しむことで、湯村温泉ならではの魅力を存分に体験できます。

Information

名称
湯村温泉
(ゆむら おんせん)
Yumura Onsen
エリア
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