耕三寺博物館は、元実業家で出家して僧侶となった耕三寺耕三が、母の菩提寺として建立した浄土真宗本願寺派の寺院です。
境内には、国宝建造物を手本として建てられた堂塔が立ち並び、その中の15棟が国の登録有形文化財に指定されています。
特に、日光東照宮の陽明門を原寸大で再現した孝養門などが見どころです。また、境内の宝殿には国の重要文化財などが展示されています。
耕三寺(こうさんじ)は、広島県尾道市の生口島に位置する浄土真宗本願寺派の仏教寺院です。山号は潮声山(潮聲山)で、1936年(昭和11年)から伽藍の建立が始められました。この寺院は日本各地の古建築を模して建てられた堂塔が特徴で、「西の日光」や「母の寺」とも呼ばれています。15の建造物が国の登録有形文化財として登録され、仏像や美術品、文化財を多く所蔵しています。1953年3月14日より博物館法に基づく登録博物館となりました。
耕三寺の開山は、大正・昭和期に大阪で活躍した実業家、金本耕三(のちの耕三寺耕三)です。1927年(昭和2年)、故郷の瀬戸田に住む母のために邸宅「潮聲閣」を建て始め、母が1934年(昭和9年)に亡くなると、翌1935年(昭和10年)、金本は出家し、僧侶となりました。そして、母への感謝の意を込めて、潮聲閣周辺に耕三寺の建立を開始しました。以来、30余年をかけて日本各地の著名な歴史的建造物を模した堂宇を建設しました。
耕三寺の境内には、日本の著名仏教建築を模した建物が多数配置されています。その詳細は以下の通りです:
山門 - 京都御所紫宸殿の門を模したもので、極彩色の門として国の登録有形文化財に指定されています。
中門 - 法隆寺西院伽藍の楼門を模したもので、登録有形文化財です。
羅漢堂 - 法隆寺西院伽藍の回廊を原型とし、五百羅漢像を安置しています。
礼拝堂 - 清水寺西門を原型とし、観世音菩薩像があります。
鼓楼と鐘楼 - 新薬師寺鐘楼を模して建てられ、登録有形文化財です。
五重塔 - 室生寺五重塔を模し、心柱は鉄鋼製で、登録有形文化財です。
法宝蔵と僧宝蔵 - 四天王寺金堂を模し、それぞれ近代美術展示館と茶道美術展示館となっています。
孝養門 - 日光東照宮陽明門を模し、色鮮やかで「西の日光」と呼ばれる建物です。
本堂 - 平等院鳳凰堂を模し、1940年に完成しました。
耕三寺には、多くの重要文化財が所蔵されています。その一部を以下に示します:
絹本著色千手千眼観音像
絹本著色仏涅槃図 - 大阪・神峯山寺旧蔵
紙本著色紀貫之像(佐竹本三十六歌仙切)
木造釈迦如来坐像 - 奈良・興福寺旧蔵
木造釈迦如来立像 - 三重・神宮寺旧蔵
木造阿弥陀如来立像
木造阿弥陀如来坐像(宝冠阿弥陀) - 快慶作
木造浄土曼荼羅刻出龕
大般若経 巻第九十九
拝観時間: 9 - 17時(年中無休・有料)
交通アクセス:
自動車 - 西瀬戸自動車道の生口島北ICまたは生口島南ICで下車、瀬戸田方面へ約10分。
船舶 - 三原港←→瀬戸田港(25分)、尾道港←→瀬戸田港(35分)、須波港←→沢港(20分)
料金: 大人1,400円、シニア1,200円、大学生1,000円、高校生 800円、中学生以下無料
所在地: 広島県尾道市瀬戸田553-2
耕三寺博物館は、その独特の建築と文化財の数々で訪れる人々を魅了します。周辺には平山郁夫美術館や国宝の三重塔がある向上寺もあり、観光の名所となっています。
9:00~17:00
年中無休
大人 1,400円
大学生・高校生 1,000円
中・小学以下 無料
三原港から船で25分 → 瀬戸田港から徒歩で10分
しまなみ海道 生口島北ICから車で10分
山陽自動車道
尾道IC→西瀬戸尾道IC→生口島北IC→耕三寺(50分)
福山西IC→西瀬戸尾道IC→生口島北IC→耕三寺(40分)
※生口島北ICより13分
しまなみ海道
今治ICー生口島南IC→耕三寺(35分)
※生口島南ICより13分